『チャイナ・インパクト』(初版 2002年3月29日 講談社)は、
中国を正しく理解するための視点を提供してくれる本です。
中国関係では、この本を含めた3部作(『中国シフト』
『中華連邦』)は必読書です。
今日の名言 1 〈94〉中国にとっては、日本とはどのような存在なのだろうか?実は中国は、経済的には日本に対する依存度が一番高い。日本から機械と基幹部品を輸入し、加工して輸出している。
今日の名言 2 〈95〉中国の国民が抱いているのは、例外なく侮日感情である。日中間に横たわるこの溝を埋めていくためには、やはり中国の今の教科書や、全体に浸透してしまっている「見下すべき小さな国」というイメージそのものを直さないといけないだろう。
今日の名言 3 〈96〉私が言いたいのは、日本も道州連邦化し、その道州が中国の一つか二つの地域と極めて密接な付き合いをするべきだということだ。これが、これからの中国と付き合ってゆくうえで、非常に有効かつ唯一のやり方なのだ。
現在の日本と中国の関係は、かつての米国と日本の関係に
酷似しています。
戦後、日本は米国の支援を受け、1ドル360円という
固定相場制にとって、潤ってきました。
材料を輸入し、製品に加工して輸出するという加工貿易で、
日本で作った製品を米国が買っていたのです。
円安の恩恵を受け、長い間「この世の春を謳歌」していました。
そのうち、いわゆるニクソン・ショックによって変動相場制へ
移行し、町工場は大きな打撃を受けました。
それでも、日本の中小企業はしたたかに生き残ってきました。
時代が変わり、中国が台頭してくると、13億人と言われる
国民力で、中国は「世界の工場」と呼ばれるようになりました。
それは、半世紀ほど前の、かつての日本の姿でした。
ただ、当時の日本と現在の中国との違いは、人口比で1:13
に如実に示されるように、生産地であると同時に、消費地と
しても魅力があります。
日本は世界一の速さで少子高齢化が進み、人口の減少は明らかで、
このまま進めば、2050年には8500万人ほどになる、
と予測されています。
つまり、現在の日本の人口1億2000万人の70%に減少してしまう
ということです。
今から36年後の話ですから、その時には私はこの世から去って
いるはずです。
理化学研究所の小保方晴子さんが作製した、STAP細胞や、
ノーベル医学生理学賞を受賞した、山中伸弥京都大学教授が
作製した、iPS細胞の研究が進み、再生医療の分野で目覚しい
進歩を遂げたとしても、多くの人たちが恩恵を受けるとは考え
にくいでしょう。
そもそも将来100歳近くまで生きることが、良いことなのか
どうかも分かりませんし、私が生きているとは考えにくいです。
ましてその年齢で、普通の生活を営むことができるでしょうか。
中国も「一人っ子政策」が続けば、いずれは人口増加が減速する
可能性はあります。そうは言っても、全人口の30%、4億人も
減少することは考えにくいでしょう。
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