バックナンバー(40)
ここに掲載しているのは、管理人・藤巻隆が
携帯サイトで運営していた時のコンテンツです。
2007年1月8日号からスタートしています。
1カ月分毎にまとめてあります。
● 2010.4.26
(No.4)<168>
見える化でトラブル8割減
藤沼 彰久(ふじぬま・あきひさ)氏
[野村総合研究所会長]
夜間コールと休日コールは、担当者ごとに数字が出る。
その中に、1カ月に50回という人がいた。
こうなるとまともに仕事などできない。
そこの本部長を呼んで、どうなっているのか質したこともあった。
すぐには解決できないので、例えば1人で受けていたのを3人で受けるようにさせた。
小さいシステムになると運用にかかわる人が少なくなる。
そうした時にシステムがボロボロだと、コール数が一気に増えてしまうわけだ。
気をつけなければならないのは、数字だけ、結果だけを見て判断してしまうことだ。
経営者がきっちりプロセスを見ないと、「数字さえ下げればいいのか」という変な議論になってしまう。
私は数字よりもプロセスが大事だと思う。
プロセスをきっちりやれば、数字はどこかでついてくるからだ。
● 2010.4.19
(No.3)<167>
理念の徹底、信頼を守る
ポール・ブルケ(Paul Bulcke)氏
[ネスレCEO(最高経営責任者)]
ネスレは、「社会と株主の双方に共通する価値を創造する」「堅実な経営」の「信頼される企業である」という強力な理念を持っています。
株主と社会への共通価値を作り出すためには、全社員が、それが一体どういうものなのかを具体的に理解できていなければなりません。
実は、4年前から、創造した共通価値についてのリポートを公表しています。
それを見ていただければ、ネスレの考える共通価値がどういうものであるかが分かってもらえると思います。
企業理念の具体化、可視化が重要なのです。
28万人もの世界中の社員が、同じ野心と情熱と戦略の方向性を共有するためには何事も分かりやすく形式化し、理解しやすい言葉に落とし込むことが大切なのです。
我々は、この会社のあるべき姿を「誰もが認める栄養、健康、ウェルネス(質の良い暮らし)のリーディングカンパニー」であること、と定義しています。
簡単ではありますが、この言葉を通じて一体何を社会に伝えたいのかさらに説明することで、言葉が生命を持つようになります。
● 2010.4.12
(No.2)<166>
人作りなくして改革なし
山本 忠人(やまもと・ただひと)氏
[富士ゼロックス社長]
自分の部署の業務フローやドキュメント(文書)の作成、コミュニケーション(情報交換)などに潜むムリやムダ、ムラを洗い出す。
そして、それらの解消に取り組めば、ソリューションを顧客に提案するために必要なプロセスを学べるし、効果も実感できる。
その結果として、社員の問題解決力を一気に高めようというわけだ。
同時に、営業の生産性の向上にも取り組んでいる。
事前に営業部門の社員が顧客を訪問している頻度を調べたところ、100時間のうち20~25時間しか費やしていないことが分かった。
残りの75~80時間は提案書の作成に当てている。
それも、各自がそれぞれのやり方で作成していた。
さらに、契約が成立した後の機器の搬入も1人でやっていたりする。
提案書の作成や機器の搬入を複数の営業社員が協力して行ったり、提案書の書式そのものを標準化したりすれば、顧客の訪問にもっと多くの時間を割くことができる。
それだけ先方の課題を探りだせる可能性も高まる。
● 2010.4.5
(No.1)<165>
宵越しのカネは持たすな
宇南山 卓(うなやま・たかし)氏
[神戸大学大学院経済学研究科准教授]
近年の研究で、人間には本能的に行動する自己と、合理的に行動する自己が同時に存在するという「二重自己モデル」が提示されている。
より多くの現金が手元にある時、本能的な自己を抑制して適切に使うには、より強い意志が必要になる。
このため、総額は同じでも、一度に多くの現金を渡されると、望ましい行動を取るのが難しくなる。
つまり、支給パターンは受給者の行動を変化させるのだ。
この現象は、現実でもよく見られる。
例えば、ジャズバンドのリーダーであった米国の著名な音楽家デューク・エリントンはこの事実を体得していた。
メンバーが飢えないように、給料を週払いではなく、日払いにしていた。
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