バックナンバー(20)
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● 2008.08.4-11
(No.1)<82>
育て、時代導くリーダー
ジェイ・ライト (Jay O.Light)氏[米ハーバード大学経営大学院学長]
竹中 平蔵(たけなか・へいぞう)氏[慶応義塾大学教授]
<ライト氏>世界に貢献できるリーダーをいかに育てるか。この点についてハーバード大学経営大学院は常に考えてきました。
リーダーに必要な資質として主に5つのポイントがあると思います。
いずれも、教授が講義を通して教えることができないものです。
知的な成長の複雑なプロセスを経なければ養えない。
第1のポイントは判断力。複雑なシステムを見て根本的な問題は何なのかを理解する。ここで重要なのは答えではなく、問題を正しく設定することです。(中略)
第2のポイントは、起業家的な見方を身につけることです。人は誰でも目標の達成を妨げる問題や制約を抱えています。そこで起業家的な見方によって状況を見つめ直し、他人には分からないチャンスを探し出し、制約を制約でなくしてしまう。そのようにゲームの仕方を変えるのです。
第3のポイントとなるのが、意思疎通の能力です。特に他人の言うことをよく聞くことが重要です。(中略)
第4のポイントとして、個人や企業の価値観を理解して、それらを長期的な目標へ置き換えることが求められます。(中略)
最後のポイントは、実行する勇気。何をすべきなのかを考え、周囲と意思疎通を図って、自分にとって本当に価値のあるものは何なのかを探し求める。これらを実践することです。
<竹中氏>今、指摘された5つのポイントにはいずれも賛同します。
強いリーダーを育てるためのポイントとして、それらに加えてさらに3つのポイントを挙げたいと思います。
第1は、リーダーを育成するうえで強い大学が必要だと言うことです。強い大学を持つ国がリーダーとなる人材を数多く輩出し、強い経済を持つことができる。極端に言えば、そういう時代になってきたと思います。米国の週刊誌「タイム」が毎年、世界の大学ランキングを発表していて、ハーバード大は多くの分野でトップです。一方、日本の大学は残念ながら上位100校の中に4~5校しか入っていない。国内最高峰の東京大学でも17位にとどまっています。(中略)
第2は、大学を利用して社会人を再教育するシステムを作っていくことです。日本は25歳以上の人が大学や大学院で学んでいる割合が米国に比べて著しく低い。ここを変えていくことも、政界や産業界のリーダーを育成していくうえで極めて大切です。
第3のポイントはライト学長の指摘されたものと重なりますが、教育の内容をこれまでの知識を伝授するものから、創造性を鍛えるものへ変えていくことです。そうした教育にはお金がかかります。ですが、日本の大学の授業料は安すぎる。日本は教育に対してもっとお金を支払うことに価値を見いだすべきです。
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