①DLA-V90Rの画質は評判通り圧倒的存在感を誇る。
DLA-V90Rは「絵がそのまま動く」「フィルム的質感がある」と評されている。
視聴させて頂いたところ、実際にその評判通りだった。
ピーク輝度も高く、V70Rとは差をつけている。
DLA-V90Rが描き出す動画にはヌルっとしたフィルム的質感があるのである。
今までに見たことがない映像なのである。
Sonyのリアリティークリエイションが作り出すくっきり系の画創りとは、明らかに違う。
240Hz駆動のe-shiftXによる疑似8Kが効果を発揮しているのだろう。
高解像度を感じるというよりも「現実的な質感」を描写すると評されている。
②画質も圧倒的だが、値段も圧倒的。
100mm口径のレンズ単体で100万円ぐらいでは?と言われている。
カメラのレンズでも直径が大きいのは極端に高くなる。
製造するのが難しいのだろう。
一時期はDLA-V90Rを買うつもりだったが、VPL-VW775(現行機種)を見て、少し考え込んでしまった。
確かにDLA-V90Rの描画は圧倒的に素晴らしい。
民生用としては比類なきプロジェクターとして記録される画質である。
しかし、DLA-V90RとVPL-VW775との差がそれほど大きい訳ではない。
4Kの静止映像ではあまり差がない。
むしろ、DLA-V90Rの真価が垣間見えるのは動画の方である。
リアル8K動画では更に差がでると思われる。
8K動画環境が整うまでまだ時間がかかりそうだ。
発売がアナウンスされている新型のパナソニック ブルーレイディスクレコーダー DMR-ZR1ですら8K出力に対応していない。
Geforce GTX3060Ti搭載のPCを組んでも良いのだが、 時期を見て作ろうと思ってはいる。
③結局中古のVPL-VW745で妥協した理由
レーザー機と水銀ランプ機では色彩の明瞭度やコントラストで大きな差がある。
高圧水銀ランプ機もかなり性能を向上させてはいるが、最初から3原色を個別に作り出すレーザー機にはかなわない。
水銀灯機とレーザー機の差はある程度ある。
一方で同じレーザー機同士のVPL-VW745とDLA-V90Rの差が大きなものかと言うと「好みの差」ぐらいである。繰り返しになるが、8K環境が整えば明瞭に差がでる可能性はある。
結局、中古のVPL-VW745を購入した。
なんと、VPL-VW875の外箱で到着した。
中の緩衝材も豪華だが、外箱の下に更にダンボール製の下駄がついていた。
前のユーザー様がVPL-VW875を選択した理由が良くわからないが、まさか何も見ないで買ったとも思えないので、視聴して感ずるものがあったのだろう。
ただ、VPL-VW875はDLA-V90Rよりも高く、DLA-V90R発売後の現時点ではVPL-VW875を選択することは無かったのではなかろうか。
VPL-VW745などのレーザー搭載機は始動時間が短いと言われているが、実は水銀灯のVPL-VW255とほぼ一緒である。HW60などに比べて、VW255は始動するまでに時間を短縮してきている。
差があるのは電源オフから完全に止まるまでの時間である。VPL-VW745は数秒で停止するが、VPL-VW255は30秒ぐらい冷却に時間をかけてから停止する。
止め忘れを防止する都合上、電源オフをすぐに明確に確認できるのは便利でなのである。
VPL-VW745は光量でVPL-VW255をかなり上回り、映像のインパクトに差をつける。
コントラスト差も良くでており、暗部の色調も描き出している。
VPL-VW745はVPL-VW255よりも1年前の製品ではあるが、モーションフローでも特に劣るところもなさそうである。
VPL-VW745は冬場でもフォーカスもピッタリ合っている。
レンズはVPL-VW255よりも良いものを積んでいるのではないだろうか?
VPL-VW745は目に突き刺さるようなピーク輝度が魅力である。これはVPL-VW255では得られなかったものである。
フォーカスも良いので、リアリティクリエーションの数値を上げていくと、くっきりはっきりしたデジタルっぽい映像を堪能できる。
価格はDLA-V90Rの4分の1であり、正直言って良い買い物をしたと思う。
いつかは、DLA-V90Rとも思わないでもないが、Sonyも何らかの対抗製品を出してくるのではないだろうか?
まさかのVPL-VW875の外箱 ゲタ履きしている。
見切れているが緩衝材も豪華
リア 背面排気であるが、V字形になっているので、壁に押し付けても大丈夫のようだ。
背面排気のせいもあって、VW255よりも静音である。
VW745とVW255との大きさ比較。VW745の方が幅があるが、奥行きもある。おかげで、少し投影距離を削られて画角が狭くなった。
レンズの倍率は両機種とも同じ、2.06倍。