1.激化する米国によるファーウェイ叩き
 『ファーウェイ幹部身柄引き渡し、カナダ裁判所が米国寄りの判断」ということで、ますます、ファーウェイへの圧力が強まっている。
 先日は、米国の製造機器を使った半導体とファーウェイの取引を禁止するという通達が出た。TSMCにSOCの製造を依頼しているファーウェイは第三者の法人を使った迂回取引を模索しているという。それをも米国は禁止してくる可能性がある。
 ファーウェイの端末を使うと、カメラ性能とバッテリー性能に驚かされる。ビデオ撮影ではiPhoneに劣っていたが、最近の端末ではビデオ撮影も充実してきた。
 皆がファーウェイに走ってしまえば、Appleは苦境になる。NYの時価総額に占めるAppleの割合を考えたら、米国としても気が気ではない。

 一時期に日本車叩きと同じ構図なのである。


2.久しぶりに軍事アナリストの田岡俊次氏がデモクラシータイムズに登場した。
【田岡俊次の徹底解説】トランプの中国叩き~コロナと新疆20200526

 

 

要約
中国
12月31日 原因不明の肺炎をWHOに通報。日米も知っていたはず。
1月3日 警告を発していた眼科医を公安当局が聴取して訓戒。
1/20 人から人への感染を確認
1/23 武漢封鎖

新コロナはウイルス兵器としては使えない。
潜伏期間があり、重症率も20%程度。
兵器としての管理も困難。


国連の取り決めによって内政干渉は禁止。
勧告はできるので、アメリカが勧告という形で中国のウイグル政策を批判。

しかし、アメリカが「テロとの戦い」ということで、新疆地区のテロリストを取り締まりするように提言。
CIAと中国公安当局が緻密に連絡して捜査。

ウイグル族に東トルキスタン独立運動の情熱がある。

新疆ウイグル自治区とアフガニスタンが峠道1本で国境を接している。

ウイグル族がアフガニスタンに行ってタリバンと協力して米軍と戦闘した。
シリアにも100人程度入った。

これに困ったアメリカが中国に協力して、新疆ウイグル自治区のテロリスト取り締まりを強化した。
中国としても国内テロを止めるために捜査を徹底的に行った。
監視カメラ・盗聴・密偵・警察官を10万人増員。
ウイグル族も情報収集のため警察官に起用した。

2014年以来、13000人は逮捕、3千何百人は取り調べたと公表している。
アメリカは100万人令状なしで勾留。はたまた300万人不法勾留したという。
しかし、実際には多めに見積もって4万・5万人程度だろう。

テロリスト予備軍は職業教育訓練所に収容した。
収容期間が六ヶ月位と長く、不満が高まった。
実際には少年刑務所のような高い壁がある施設に収容していた。

いうことである。

3.中国叩きは百害あって一利なし
 経済的協力関係は米中にしても日中にしても深くなっており、今更中国叩きをしても日本にとっては不利益しか無い。
 不幸だったのは菅・野田政権の時の尖閣諸島問題紛糾である。安倍政権はしたたかなので、尖閣諸島問題は元の様に「棚上げ」にしている。
 元々、田中角栄と周恩来首相の取り決めで「棚上げ」で、実質的支配権は日本、中国漁船の操業は黙認、ということだったのだ。
 これをヒラリーに扇動された前原誠司国交大臣が漁船を挟み撃ちにして領土問題が紛糾したのである。

 新コロナで海外製造の危うさが一時的に認識された。自由貿易体制は死守するべきだし、私個人はファーウェイの端末を愛好していくだろう。ただし、一部の製造業や農業の自給率向上の必要性があるのは確かなのである。

 トランプ政権が危ういのは単なる保護貿易的傾向なだけではない。自国での製造業の立て直しには一定程度の正当性がある。だが、他国、しかも最重要の中国と紛糾するような外交戦略は取るべきではない。
 米中が戦争になれば、日本には文字通り「破滅」が訪れるのである。