Mankind must put an end to war or war will put an end to mankind.
人類は戦争に終止符を打たなければならない。さもなければ、戦争が人類に終止符を打つことになるだろう。 - John F. Kennedy

 [ケネディとユダヤの秘密戦争](発掘!アメリカの嘘) 原題「Final Judgment」
マイケル・コリンズ・パイパー  (著), 太田 龍 (翻訳)
 

 


1.「最終審判」を考察する。
 『ケネディとユダヤの秘密戦争』は岩上安身氏による板垣雄三東京大学名誉教授インタビューで紹介されていたので購入したものである。
 著書であるマイケル・コリンズ・パイパーは、暴露本の著者としてご多分にもれず猛烈な人格攻撃を受けて55歳の若さで2015年に亡くなられている。

 原題「Final Judgment」であり「最終審判」としている。
 結局、この本だけを読んで真贋を判断するのは困難である。戦後におけるイスラエルの国際的な動向を知らなければならない。
 板垣教授は国際政治史に精通しており、長時間のインタビューにおいてイスラエルの政治・軍事的な活動を詳述されている。

2013年1月23日、マレーシアのナジーブ首相がガザを訪問。ファタハとハマスの統一政権が作られるようになる。
同年3月、『スールー王国軍』を名乗るフィリピン人武装集団がマレーシアに攻撃を仕掛ける。
同年4月、北京行きのマレーシア航空370便が行方不明。
マハティール元首相「この事故について、真相をCIAが知っているはずだ」

 但し、イスラエルによるケネディ暗殺という点については言葉を濁している。
板垣氏「米国の政界がイスラエルに過度に気をつかうようになるのは、ケネディが暗殺された後ですね。ケネディは、イスラエルの核武装に反対する立場でした。そのことと、暗殺事件とが直接つながっているかどうかは、私には分かりませんけれども…」
https://sun.ap.teacup.com/souun/14879.html

 『ケネディとユダヤの秘密戦争』が論争を呼んだのは、「イスラエルのモサドがケネディ暗殺計画に深く関与した。その理由は、JFKが、イスラエルの核兵器開発を中止させようと固く決意したためとしている点である。

2.中国とイスラエルの核開発関係
 イスラエルと中国は核開発において協力関係にあり、中国大陸で行われた数度にわたる核実験は、イスラエルの核の完成のために中国が協力したことによるものであった。
 中国は自国の領土をイスラエルの核実験場として提供し、その見返りにイスラエルから核開発技術を供与された。
https://kaleido11.blog.fc2.com/blog-entry-5893.html

 JFKの暗殺で大きく変化したのはアメリカの対イスラエル政策だけではない。暗殺に先立つ数カ月のあいだ、共産中国の核施設を軍事攻撃する計画をケネディは進めていた。しかし、ケネディの死から1カ月後には、リンドン・ジョンソンがその計画を中止し、中国は核兵器を手にした。イスラエルのモサドと共産中国の情報機関はひそかに共同核兵器開発に携わっていた。
https://ameblo.jp/mistoshi/entry-12560849893.html

 1965年のシンガポール独立にもイスラエルは関与し、中国との関係を見据えての事だとされる。

3.軍産複合体とCIA説
 『ケネディとユダヤの秘密戦争』ではオリバー・ストーン監督の映画「JFK」を「軍産複合体(ディープステイト)に疑いの目を向けさせ、イスラエル・ユダヤから遠ざける為の策略」と断じてはいるが、作中の主人公であるジム・ギャリソン地方検事が石油業者を名乗る男から脅しがかかった点を挙げて「捜査は正しい方向を向いていた」とも記述している。
 ストーン監督自身がベトナム戦争に従軍し、軍産複合体の脅威を体感している。
 ケネディ政権当時、大統領はベトナム戦争を止めようとしている。「軍事顧問団を撤退させる」とある大学の講演会で宣言しているのだ。
https://okinawa2017.blog.ss-blog.jp/2020-05-21-1
 ケネディがダラスで暗殺された後、ジョンソン政権が発足し、ベトナム戦争は拡大の一途を辿る。ベトナム戦争の惨禍を考え、当時を知る世代は軍産複合体とCIA説を支持する人は多い。

4.マイヤーランスキーとCIAの合作だ
 イスラエルは核の秘密を進めた。61年1月ダヴィド・ベングリオン首相は世界に向けディモナは砂漠の植物観察施設だといったがJFKは騙されなかった。同年5月彼はベングリオンとNYアストリアホテルで会談する。ケネディとユダヤの秘密の戦争の始まりだった。ベングリオンは辞職に追い込まれている。ケネディの死後、アメリカははじめてイスラエルに大量の武器の供与をはじめた…

 当時、暗黒街の支配者であるマイヤーランスキーはイスラエル建国における立役者であった。マイヤーランスキーはJFKの父、ジョセフ・パトリック・ケネディと対立関係にあった。JFK大統領就任時に履行するべき約束を果たせず対立が激化したとも言われている。
 本書ではイスラエルの意向を受けたマイヤーランスキーとCIAの合作でJFK暗殺が実行されたと断じている。

5.NHKによるJFK暗殺事件ドキュメンタリー
 NHKはかつて、JFK暗殺事件のドキュメンタリーを作成しており、文化庁の賞を取っている。政府の公式見解「ウォーレン報告」にある、リー・ハーヴェイ・オズワルドとキューバとの密接な関係を前提にして映像化したのである。
 しかし、これはCIAの資金提供でキューバの在米組織が喧伝したプロパガンダであることが分かっている。この作品が問題だったのは、まるで真実に迫っていない上に、ケネディ兄弟が核戦争一歩手前まで導いた強行派として描かれている。
 実際には映画「13デイズ」で描かれている通り、軍部の強行派であるカーチス・ルメイなどとの激しいせめぎあいと、ケネディや弟のロバート司法長官がソ連側との妥協の道を探った結果、危機は回避されたのである。

 最近になって「CIAが実行犯」であるという論旨で作られたのが、
シリーズ初の “海外特別編”! あの暗殺事件の闇に迫る
NHKスペシャル「未解決事件 File.08 JFK暗殺」
https://www6.nhk.or.jp/nhkpr/post/original.html?i=23167
である。
 元CIAのケースオフィサーによる仮説を紹介し、具体的に関与した複数人のCIAケースオフィサーの名前を出している。暗殺計画を指揮したとされる「上司」の存在を示唆したが、特定はしていない。他の「未解決事件シリーズ」を見て感じるのは、ある程度真実に迫ろうと努力している製作姿勢である。

6.意思を継ぐもの「ロバート・ケネディJr」
 なぜ、今頃JFKの事を語るのか?それはロバート・ケネディJr氏の存在である。
弁護士である氏は農薬問題やワクチン問題で戦っている。トランプ大統領もワクチン問題ではロバート・ケネディJrを起用している。

 最近、ロバート・F・ケネディ(享年42)の孫娘にあたるメイヴ・ケネディ・マキーン(享年40)とその息子ギデオン(8)が、カヌーをしていたところ、行方不明となった。
メイヴは遺体となって発見、ギデオンは行方不明とのこと。
https://spur.hpplus.jp/culture/celebritynews/202004/07/JEFxgBc/
ロバート・ケネディJrの姪にあたる人物が亡くなられた。

 さて、これが事故なのか暗殺なのか、分からない。
ただ、ロバート・ケネディJrはモンサント相手の勝訴しており、ワクチン問題では重大な告発を行っている。
ビル・ゲイツが「WHOを私物化している」と主張しているのだ。
https://www.youtube.com/watch?v=gn8JsxnK_us&feature=youtu.be

 ロバート・ケネディJrがどのような人物が知る由も無いが、NHKスペシャル「未解決事件 File.08 JFK暗殺」のインタビューに答えている。冒頭で「統制されているアメリカのメディアではなく、日本のメディアであるから取材に応じる」と述べている。
 実際は日本のメディアも統制されている。ロバートにとっては、日本ではアメリカの禁忌についてはある程度自由に報道されているとの認識なのだろう。

 加えて元農水大臣山田正彦氏が2019年サンフランシスコでロバートケネディJr.弁護士に直接インタビューを行い、「トランプ大統領が米国政府のWHOへの出資を止める」事の真意を伺っている。
https://www.facebook.com/masahiko.yamada.125/posts/2681887745271047

 衆知の通り、父ロバート・ケネディは大統領予備選挙中に暗殺されているし、JFK Jrは飛行機事故で亡くなっている。
 「ロイヤルファミリー」と称されるケネディ家の遺訓を担っていると思われるロバート・ケネディJr氏に注目すべきである。

7.イスラエルの魔手
 イスラエルが日本の核物質を横領したと指摘する「島津論文」、当初はトンデモ扱いされていた。だが、スノーデンの告発などもあり、内容に真実味が増してきた。島津論文については別の機会に触れたい。

 2020年5月17日、中国の駐イスラエル大使が、テルアビブ郊外の公邸で死亡しているのが発見された。杜偉大使は享年57歳。死因は心臓に関連するものとされている。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200517-00000024-jij_afp-int

 結局、『イスラエル・ロビーとアメリカの外交政策』シカゴ大学教授=ジョン・J・ミアシャイマー。ハーヴァード大学教授=スティーヴン・M・ウォルト共著によると、米国の税金の多くはイスラエルのために使われている。その金が「イスラエル・ロビー」を通じて米国の政策を決定している、としている。

 

 

 トランプ政権の中国に対する異常な強硬姿勢や、米諜報機関による香港騒乱への介入政策などは、イスラエルの影響があるのではないかと思われる。
 中国による中国内陸部の経済底上げのための一帯一路政策などにより、その影響力はイランなどの中東にまで波及している。イスラエルは中東諸国の経済発展は国益を損ねるとして中国と対立関係に入ったのではなかろうか。
 私はそのように考えている。