1.CVT燃費革命
一般的なCVTは、V字プーリーとスチール製ベルトを使用し、2つのV字プーリーを圧着させ、その間にベルトを通してエンジンの動力を伝える。
V字プーリーの溝幅を変えることで、変速比を連続的に変えるトランスミッションである。
CVTの利点は、ATやMTよりも燃費が良く、加速がスムースである点である。
エンジンの回転数が高回転になると、ベルトがスリップするので、2.0Lクラスのターボエンジンが、CVTを使える上限と言われている。
CVTはATよりもクリープ現象が小さいので、坂道発進に不向きだと言われているが、初代フィットを乗っている限りにおいては、実用上問題はない。
CVTはATのような変速ショックがない。
CVTは動作中ずっとエンジン駆動の高圧油圧ポンプが作動する。
高回転時にパワーロスが増えることを意味する。
だが、実際にはCVTはATよりも燃費が良く、高速道路で100kmで走行する程度なら問題ならない。
燃費はATの10km弱から13-14kmへ伸びた。
ハイブリッドは18-20km程度だとされる。
AT車は今でも7km以下の燃費車両がゴロゴロある。
それに比べれば、例えばフィットの13-14kmだと倍に伸びている。
ハイブリッド車は重量増加及び車両価格が高くなる問題がある。
また、機構の複雑さにより、故障が起きやすく、修理ができる技術者が限られる。
実際にハイブリッド機構に対するリコールも多い。
すでに、CVTで14kmの燃費に達しているのが、ハイブリッド車で18kmになっても大差ない。
取引先でプリウスに乗っていた人は、今では軽自動車に乗っている。
CVTは小排気量車両にこそ威力を発揮する。
ATの軽自動車実燃費はかなり悪いものだったが、CVT化してかなり「実燃費」が良くなっている。


2.ダーティディーゼル
フォルクスワーゲンはディーゼル排気ガスに含まれるNOxを「ハンドルを切らない状態」(排気テスト走行)では低くし、それ以外の状態ではパワーに振った燃調にしていた。
排気テスト走行と実走行のNOx排出量差は40倍だったとされる。
つまり、本来の走行時の40分の1しかNOxが排出されないように、「偽装」していたのだ。
1992年にEUでは試験対策のプログラムを組み込むことを禁止していた。
ヨーロッパでは乗用車でもディーゼル車両が使われているそうだが、日本ではディーゼル規制の強化や排ガスのダーティさの問題で減少していた。

ディーゼルエンジンはトルクがあるので、貨物車両には向いている。
1t積の1BOX車が分岐点だろう。
ガソリンエンジンは荷物を積むと、燃費が顕著に悪くなる。

首都圏は国土交通省陸運局とは別に都道府県がディーゼル車規制条例を課して、より厳しい基準となった。
PM(煤などの粒子状物質)低減装置を装着すれば、規制は回避できるのだが、1tトラックをガソリンに買い換えて、トルクの無さと燃費の悪さに困っていた大工さんがいた。
つまり、適材適所であり、乗用車はガソリンCVT車、1t以上の貨物車はディーゼルと使い分けすれば良いだけのことである。

欧米は乗用車の小型化や軽量化をするという判断ではなくて、出力の大きいエンジンを搭載する方向へ向かった。
それはどう考えても燃費が悪く、環境負荷が大きい。

私の推測だが、CVTガソリン車で燃費向上を遂げてきた日本車に対抗するために、有りもしない「クリーン・ディーゼル」なるものを実現させるために、’Defeat Device: 無効化装置’を載せてしまったのだろう。


(参考元)
挑戦者に、聞く【2】 無段変速機「ハーフトロイダルCVT」21年の挑戦
http://www.mech.tohoku.ac.jp/sena/series3/vol2/vol2-1.html
AT, DCT, AMT, CVT。自動変速トランスミッションのいろいろ。
http://dailynewsonline.jp/article/991597/?page=all
車のCVTのメリット・デメリットとは?ATやMTより燃費が良い
http://car-by-area.com/cvt/
クリーンならぬ、ダーティ-・ディーゼル:VWディーゼル、米国で大気浄化法違反
http://www.cordia.jp/blog/?p=1815
ディーゼル車排ガス対策ページ
http://www.maruma.co.jp/product/product6/special/page3.html