10月、やっと秋? 木の実と出会う      2024,10,2

 昨日のこと。

 昼過ぎ、低く垂れこめていた灰色の雲が消えて青い空が見え始めた。金色の光が辺りを眩しく照らし始めた。気温は25℃くらい。

「暑くなるかな…」

 散歩に出る。東高根森林公園から長尾の里を歩くコース。

 しばらく、建物が作る日影を探して歩いた。真夏の午後は頭上から陽が注ぎ、建物の影はほとんどできなかったが、今は片側の歩道に影ができている。太陽が少しだけ南に傾いたのだろう。季節の変化がこんなところに表れている。

 時々、涼しげな風が吹き抜けていく。気持ちがいい。

 

 森林公園の入口左手にある木製階段を登り、コナラ・クヌギ林の広場に出た。青いドングリが足元にいくつか転がっている。人は誰もいない。ベンチに座って小説を読む。蚊がやってきた。刺されないように気をつけたけれど、ちょっと油断しただけで手の甲と腕の辺りを刺された。

 

 長尾小を右手に見ながら五所塚古墳に出て坂道を下り妙楽寺に寄った。裏庭で本を読む。境内では、萩が枝先に小さな花をつけ始めていた。足元にはウメモドキの赤い実。小鳥たちが好む木の実だという。それから、無数の紫色の小粒の実をつけたムラサキシキブがあった。

 

 妙楽寺を出て坂道を下り始めると、雑草の蔓延る右手の崖にオレンジ色に輝くカラスウリを見つけた。1つ、2つ、3つ…。いや、もっと…。

 そこは見上げるような崖だ。でもね、背伸びしたら手の届くところに1つだけカラスウリがあった。薮をかき分けそれを引っ張り取って持ち帰った。

 

 それからさらに下ると、同じく崖下にヨウシュヤマゴボウが黒紫色の実をいっぱいにつけて垂れ下がっていた。これは根っこも葉も実も有毒だという。触らない。でも秋の風景を作っている。

 

 さて、カラスウリは何するわけではないけれど、リュックから取り出して机の上に置いた。オレンジ色の実がコロンと転がって特別の空気を作る。秋がぼくの身の回りにもやってきた感じ。

お祝いの会、何しようか? 3年1組学級会   2024,10,1

《はじめに》

 3年1組の学級会の様子をそのまま学級通信で伝えている。読んでいくとちょっと笑ってしまう。女の子に対する見方・とらえ方など「どうかな?」と思う発言もあるが、そうした発言も学級会の中で反対意見や異論が出てくるし、実際の遊びや体育の授業などを通して視点が変わって行くので、子どもたちの討論を見守っていた。

 もう1つ、注目したいのは、この学級会の場で誰もが自由に言いたいことを言っていること。反対意見も堂々と言っている。「わたしは、〇〇には反対です!」と。誰の発言も認め合う雰囲気が教室に生まれている。このことはとても大切なことだと思う。2024,10,1記

 

『なかよしいっぱい!』№78(2004,9,24)号より

 今日の司会は裕太君と優太郎君だ。目標を決めて“花丸”をいっぱいためてきたけれど、それがもう200個になる。だから『お祝いの会』に何をするか話し合った。

 場所は『林試の森』って決めてあった。

 

祐貴 …ぼくは、『かくれんぼ』がいいな。

秀誉 …『かくれんぼ』したら23人見つけるの大変だと思う。

真央 …ぼくは、『かくれんぼ』がいいな。

嵩章 …『だるまさんがころんだ』が出てるけど、反対です。だって、オニになった人が、好きな人の名前は言わないで、嫌いな人なんかに勝手に動いたとウソをついたりするから! ぼくは『おにごっこ』がいいと思う。

真琴 …『高おに』がいいと思う。

智大 …今、秋だから秋らしい遊びをするといいと思う。

瑞生 …ぼくは『おにごっこ』がいい。

雄大 …智大君に聞きたいけど、秋らしい遊びって何ですか。

順  …ぼくは意見だけど、『おにごっこ』は、林試でやったら、みんな好きな所へ行っちゃって、みつけられなくなっちゃうでしょう。

T  …林試でね、まえ6年生たちと『ポコペン』をしたり『かくれんぼ』をしたりしたよ。場所を決めておくと楽しかったよ。『アスレチック』もいいけどね。

嵩章 …ぼくは『ハンカチ落とし』もいいな。

遥香 …『ドロケイ』がいい。

嵩章 …『ドロケイ』賛成!クラス24人が2つに分かれると12人と12人でちょうどいいね。

雄大 …『かんけり』がいいな。大きな広場でやったら楽しいと思う。

優太郎 …ぼくは『サッカー』がいい。

康輔 …『ポコペン』やってみたいな。

順  …ぼくもやってみたいです。

瑞生 …『ドロケイ』がいいです。

英一斗 …『ポコペン』やってみたい。

理帆 …わたしも『ポコペン』やってみたい。

聡美 …わたしは『サッカー』には反対です。男の子はやりやすいかもしれないけど、女の子はやってないから。

嵩章 …『かんけり』っていいと思う。ストレス解消になるよ。(ハハハ!)

秀誉 …やっぱり『ドロケイ』やりたいな。

智大 …ぼくは『ポコペン』。

順  …『ハンカチ落とし』に反対。なぜなら屋上でもやったし、林試はとても広いところで、ちょっと虚しい感じ。(ワハハ!)

春菜 …わたし、『おにごっこ』に反対です。足が速い人とおそい人がいるでしょ。おそい人がかわいそうです。

康輔 …ぼくは『ドロケイ』をやりたいです。隠れるところがいっぱいあるし、康貴君たちと前やって楽しかったから…。

瑞生 …ぼくは『サッカー』に賛成。

真央 …『ドロケイ』に賛成です。このクラス24人でちょうど12人対12人でできます。

裕太 …『ドロケイ』がいいと思う。女の子でも足が速い人がいます。

優太郎 …『サッカー』に賛成です。ぼくはサッカーが大好きだからです。

祐貴 …『たかおに』は、木にのぼるみたくなるし、『サッカー』は女の子なんかできないし、『ハンカチ落とし』は、前やったから反対です。

雄大 …ぼくは『ドロケイ』に反対です。12対12といっても女の子はおそい子もはやい子もいるけど、決まった場所にずっといたりする。タッチされて悔しい気持ちになる。美森君だっていっしょにできない。

真琴 …『サッカー』に賛成。12人対12人でみんなでやれる。

理帆 …わたしは『ハンカチ落とし』に反対です。好きな人だけにハンカチを落としたりするからです。林試は広いのでなんかつまんないと思う。

英一斗 …『ハンカチ落とし』は反対。ハンカチも汚れちゃうよ。

さやか …『サッカー』にわたしは賛成。女の子でも蹴れるからみんなでできると思う。

嵩章 …『ポコペン』に反対。見つかってないのに(名前を)言われたら飛び出さなくちゃいけないでしょ。それってうるさい感じがする。

7い7

司会 …では、(話し合いを)打ち切ります。遊びたい遊びに何度でもいいから手をあげてください。

 

(1回目)

・かくれんぼ ……  1人

・おにごっこ ……  5人

・たかおに  ……  4人

・ポコペン  ……  17人

・アスレチック ……  7人

・ハンカチ落とし ……  0人

・ドロケイ  ……  17人

・かんけり  ……   3人

・サッカー  ……   9人

(2回目)

 もう一度、やりたい遊びに手をあげました。3つの中からですけど…。

・ポコペン  ……   17人

・どろけい  ……   19人

・サッカー  ……    9人

 

司会 …今度の『遊びの会(お祝いの会)』でやることが決まりました。やるのは『ポコペン』と『どろけい』です。

 

🌞がんばって話し合いましたね。林試の森の広場で、3年1組は今度1時間『お祝いの会』の遊びをします。晴れるといいね。

国語辞典って楽しいね!  2024,9,30

《はじめに》

 『国語辞典の引き方』は、3年生の国語の教科書に出てきます。子どもたちにとって『国語辞典』との出会いは初めて! みんなを『国語辞典』大好きにするチャンスです。

ぼくは、『国語辞典』や『漢字辞典』の引き方を教えた後は、自分の机や体の側に辞典を置いておくことを奨めました。いつでも手に取って辞典を引き調べることが大好きな子になってほしいと思っていたからです。

 今は、スマホやタブレットがあればすぐ知らない言葉にアクセスできるでしょう。ぼくも会話や文章中に知らない言葉が出てきたとき、便利な機能としてスマホを使って調べます。しかし、編集された重い辞典の手触りと、それを使って言葉を調べた時の実感は明らかに違います。

 『国語辞典』は、子どもたちに、日常使用する言語や少し難しい言葉、概念的言語などをひとまとめにして具体的に提示してくれています。ある意味で“知の塊”と言ってもいいかもしれません。そうした意味で『知』の重みや深さを味わい、“知の森”の中に分け入っていく楽しさや喜びを教えてくれるものだと思います。

 今日のぼくのブログは、3年生の子どもたちが初めて『国語辞典』と出会うときの授業の様子を伝えています。若い教師のみなさんが「こんな授業もあるんだな」と参考にしてくれて子どもたちが『国語辞典』が大好きで夢中になってくれたらうれしいです。何度も何度も辞典を引いて“ぼくの・わたしの宝物”みたいになってくれたらいいなと思います。2024,9,30記

 

  ~3年1組『なかよしいっぱい!』№70(2004,9,10)号より~

 ―あい・あり! どっちが早く出てくるかなあ―

 初めての国語辞典!

 子どもたちが国語辞典大好きになってくれたらうれしいです。心も生活も、生き方も知的になります。

 あまり難しくない子ども用の国語辞典を子どもたちにプレゼントしてあげて下さい。でも、語彙は豊かで、意味や説明はしっかりしたものがいいですね。

                  ※

「国語辞典って、どんなとき使うのかな?」

「意味がわからないとき、引いて調べるよ」

「字がわからないときも調べられる」

「あのね、でも、イライラしたりむかついたりするんだよ」

 これは嵩章君。笑ってしまいます。

「そうだよね。辞書を引くって、イライラしてむかつく。でもね、それを乗り越えちゃうと楽しいよ。先生は、辞書大好きなんだ」

                  ※

 いよいよ、国語辞典の世界に入ります。

 ぼくは、言いました。

「〇〇…。こんなふうに2文字の言葉を言ってくれますか」

 みんなが発表してくれた言葉は次のようになりました。

・ひと ・はな ・しま ・ごみ ・あい ・あり ・ぶた ・がく ・とり ・うみ

 

 あっ、そうだ!

 この学習に入る前に、みんなに自由に国語辞典のページを開いてもらって、すきな言葉を見つけて、それを読んでもらいました。これがおもしろい。

 みんな、いろいろ発見したもの! 聞くだけで楽しかったよ。

                  ※

 さて、話はもどって。

「この言葉の中で、一番最初に辞典に出てくるのは、どの言葉でしょうか」

「ハイ、ハイ!」

「どうぞ」

「あい!」「あい!」「あい!です」

「あり…かな?」

「あい…の方が、絶対先だと思うよ」

「ところで、なざ『あい』や『あり』が他の言葉より早く出てくるの?」

春菜 …あのね、ひらがなの中で最初だからです。

裕太 …『五十音』の一番だからだよ。

克秀 …『あかさたな…』の一番だからです。

T  …その通りなんですよ。『あ』は、日本語の始まりだからね。国語辞典は、『五十音』の表の順番に並んでいるのです。

T  …ところで、なぜ『あい』は『あり』より早く辞典に出ているの?

リサ …あのね、『あい』と『あり』は、『あ』は同じでしょ。次に『い』と『り』を比べるんです。そうすると、『い』の方が、『五十音表』で早く出てきます。

遥香 …私も同じです。(遥香さんはそう言うと、黒板の前に出てきて、『五十音表』を指しながら)ほら、『い』はここにあって、『り』はずっと後ろでしょ。

 

 みんなで『あい』をさがしました。次に『あり』をさがしました。辞典によって説明がすこしずつちがっておもしろかったです。

 全員、自分の力で『ことば』が引けました。いよいよ、もっと詳しく国語辞典のひき方を覚えていきますね。