3年生と学んだよ! 川崎洋さんの詩『たんぽぽ』②  2024,9,5

☆昨日の授業の続きです。

 

[3]原っぱやビルをこえて

 それから(みんなで『たんぽぽのわた毛』の詩を作った後)、黒板に『たんぽぽ』川崎洋と書いた。ノートに1行ずつ写していく。

 

《 たんぽぽ

 たんぽぽが

 たくさん飛んでいく 》

 

T  …みんなの心に浮かぶことを教えてください。たんぽぽがたくさんどこを飛んでいきますか?

 ※すると、出てくる出てくる、いっぱい夢が広がったね。

さやか …原っぱを飛んでいく(T…いいなあ。広い原っぱ!)

裕太 …ビルの上を飛んでいくの!(T…すごい! 高い高いビルね)

 ※ぼくは、黒板に原っぱとビルの絵を描いたよ。

英一斗 …ぼくは、森! (T…うん、森の上を飛んでいく!)

康貴 …公園を飛んでいく。

 ※ぼくは、森につけ加えて公園のブランコを描いた。

実侑 …家のすみに飛んでいく。

T  …そうだね。人の見えないところにもね。(※黒板に小さな家を描いた)

優太郎 …雲のところまで飛んでいく。(T…雲か!いいなあ)

 ※ぼくは、モクモクと雲を描いた。ビルにも雲を描いたら「ヒェー!高いビルなんだ」…そんな声も聞こえたね。

秀誉 …道がね、白くなるくらいいっぱい飛んでいくの! (T…すごいなあ。ドキドキする発言だね! 白い道をウネウネと黒板に描き加えた)

克秀 …ぼくは、地球!

嵩章 …大空高く飛んでくの!

瑞生 …空のかなたへね。(T…黒板に入りきらないや)

祐貴 …ぼくは、星の中も!

Ⅽ  …星は、無理じゃない…。

T  …詩はね、どんなことも想像していいんだよ。

春菜 …空いちめんにタンポポが飛んでる。

雄大・瑞生 …宇宙も飛んでる。

順  …庭!

T  …ああ、小さな家のすみや庭を飛ぶタンポポ。それもいいなあ。

 ※3年1組のみんなが想像してくれたたんぽぽは、こんなに飛ぶんだね。いろんなところに…。

 

[4]みんな[~]があるんだ

 黒板の詩は、さらに次のような言葉が付け加わった。こんなふうに…。

《 たんぽぽ      川崎洋   

 たんぽぽが

 たくさんとんでいく

 ひとつひとつ

 みんな[~]があるんだ 》

 

T  …この[~]の中にね、川崎洋さんの考えた言葉でなくていいよ。自分がいいなあと思って浮かぶ言葉を入れてごらん。

 ※真っ先に手をあげたのは聡美さんだった。

T  …はい。聡美さん!

聡美 …心!

T  …すごいなあ、“心”か。聡美さんね、“心”という言葉を入れてこの詩を読んでくれるかな。

 ※すると聡美さんが読んでくれた。

聡美 …たんぽぽ。たんぽぽが/たくさん飛んでいく/ひとつひとつ/みんな“心”があるんだ

 ※ウーンとうなってしまった。すてきな聡美さんの詩ができた。

 すると、次々とみんなゆたかな言葉を発表したよ。

理帆 …夢。(T…夢かあ。夢がふくらんでいく、たんぽぽの わた毛)

裕太 …たね。(T…ひとつひとつ育っていくタネをもっているんだね)

さやか …いのち。(T…ひとつの綿毛にひとつのいのちだね)

春菜 …わた。(T…たくさんの綿毛を集めたら、ふわふわだろうね)

嵩章 …草。(T…たんぽぽはみんなこの草から育っていく)

遥香 …仲間。(T…おもしろいなあ。みんな仲間でつながっている)

秀誉 …力。(T…うーむ。力か。この一つのたんぽぽの綿毛に秀誉君は力をみた。すごいや)

英一斗 …小さなたね。(T…どれもみんな、小さな小さな、本当に小さなたねだね)

祐貴 …ぼくは理帆さんと聡美さんとあわせて考えてね、“心や夢があるたね”があるんだって。

 (T…そうか。心と夢をつなげるたね)

克秀 …水。(T…水か。どのたねも、この小さなたねにも水はあるだろうな)

真央 …自由。(T…わあ、自由か! すごいことを考えるね。まるで哲学者みたいだなあ)

 ※どの子もみんな、こうして自分の考えたことばを入れて川崎洋さんの詩をつかって表現してくれました。

 

[5]おーい、たねじろう

「川崎洋さんの考えた言葉は…」

 そう言って、黒板の詩の[~]の中に『名前』と書き入れた。みんなびっくりした。

 そして、さらに詩を書き加えた。すると、詩はこんなふうになった。

 

《 たんぽぽ      川崎洋   

 たんぽぽが

 たくさん飛んでいく

 ひとつひとつ

 みんな名前があるんだ

 

 おーい [~~~]

 おーい [~~~]

 おーい [~~~]

 おーい [~~~] 》

 

 これを書いたとたん、裕太君が叫んだ。

裕太 …おーい、たねじろう!

 ※みんな、爆笑した。笑いながら、たんぽぽの綿毛の名前を考えた。

・たねくん(瑞生) ・たねごろう(英一斗)

T  …ねえ、美森君だったら、何て考える?

美森 …よし…くん。

みんな …スーパーよしくん、って言ったんだよ。

T  …そうか、スーパーよしくんか! 

・たねさぶろう(秀誉) ・たねじろう二号(嵩章) ・たねいちろう(真琴) ・みんな(リサ)

・わたっこ(祐貴) ・たねお(真央) ・お茶(裕太) ・たねねぎ(嵩章) 

・たんぽぽ(さやか) ・たねすけ(遥香) ・たねもと(克秀) ・3年1組(裕太)

 

※みんなの発言を名前にして呼んでみたよ。

「おーい 〇〇〇〇!」

 って言ってね。

 地球上の、何千、何万、何億の、もっともっとたくさんの『たんぽぽの綿毛』ひとつひとつに名前をつけたら、こんな名前もいっぱいかもね。

 それから、川崎洋さんの詩の言葉を入れた。

 

 とうとう、詩は、おしまいの行になった。

   ⇒この続きはまた明日のブログで。