2024,8,17ブログ

見えた! ダンゴムシの口だよ!

   ~3年1組『なかよしいっぱい!』№27(2004,5,24)号より~

 

《はじめに》 学校に双眼実体顕微鏡20台を

 小山台小学校に転任してから「いいなあ」と思ったことはいくつかあるが、理科室備品として『双眼実体顕微鏡』が20台ほど用意されていたのには感動した。1台3万~5万円ほどの備品だ。

 何がいいかって、小学1年生から扱える顕微鏡で、手軽に見たいものを(立体のまま)拡大して見ることができる。プレパラートを使う必要がない。観察したいものの上に顕微鏡をあて、両目を開けたまま2つのレンズでのぞくと、虫メガネで観察したよりもっと大きく、20倍から50倍程度に拡大して見ることができる。子どもたちは驚きの世界を手に入れることができる。

 3年生の子どもたちはダンゴムシを観察した。2人に1台を渡して。すると、ダンゴムシの足や口や目を見ることができた。赤ちゃんも! みんな驚きの声をあげた。(2024,8,18記)

 

 理科室から双眼実体顕微鏡を12台持って来た。2人に1台。使い方を教えてダンゴムシを見た。

 1匹のダンゴムシを逆さにして、ぼくがのぞく。

「わっ!」

 と思った。ダンゴムシの体から、クモの足のような毛のついた足がいっぱい中央からはえていて、その先に分厚い口があったからだ。

「わっ! すごいよ。ダンゴムシの口が見える。先生、初めてこんなに大きく見たよ!」

 ぼくは、興奮して叫んじゃった。使い方を教えている時だった。

 54歳になったって、初めて見るものには夢中になるし感動する。ぼくは、子どもみたい!

                  ※

 それからは、教室のあちこちから次々と歓声があがった。

 となりにならんだ2人で、お互いにダンゴムシをのぞいたんだ。

「先生、ぼくたちのダンゴムシ、お腹に白いたまごみたいのを持っている!」

 さやかさんや真央君だったかなあ。

「見えた、見えた! ぼくたちも口が見えた」

「先生、目もわかるよ!」

「ダメなんだ。先生ね、目がなかなかわからないよ」

「大変、先生、来て!」

 理帆さんが叫ぶから行ってみると、

「ダンゴムシのお腹に、小さな虫がウヨウヨしてるの」

「死んだダンゴムシを食べているのかもしれないよ」

 生きているダンゴムシをシャーレに入れたり、逆さまにしたりしてのぞいている子たちもいる。

「足を数えたらね、14本あるよ」

「えっ、13本じゃないの」

 と、別の声。

「14本だよ!」

 あっちからこっちから声があがる。

「すごいなあ! みんな図鑑に書いてあったことじゃなくて、自分の目でみて、数えてたんだもの。そういうのってすごい力だよ!」

 事実と向かい合うことの大切さです。頭でっかちにならないで、心で感じて、自分の身体に刻み込む知識ですね。こんな学び方が大好きな子になってほしいです。

                   ※

【みんなの観察ノートから】(絵は略)

★英一斗… けんびきょうでだんごむしをみました。あしは14でした。目と口もみえました。

★実侑 … わたしは、けんびきょうでかわいい目をみた。2つあったよ。あと、かわいい口があったよ。この口ならかれ葉をかみくだけるね。

★真央 …メスのダンゴムシをうらがえしにしたら、おなかの色が白でした。それから1分くらいたった後、おなかの色が黄色になっていました。けんびきょうでみたら、たまごをうんでいました。それと、おしりに黄色いぶったいをみつけました。おそらくたまごかもしれません。

★南  … メスを見てみたら、きいろいおなかだった。いきなりオレンジ色のたまごが〇(図)から出てきました。