産業カウンセラーの 高野 晴 です。

 

人は習慣性が高い生き物です。

その時、その場で適切に判断し、行動しているようで、無意識に、習慣に従って行動しています。

 

このような「自動運転」が、楽で、省エネで、効率的なことが多いのは確かなのですが、


過去の失敗や辛い体験も習慣化してしまい、

それゆえ前に進めない、積極的になれない、

こともあります。


 

「人は過去にこだわり、明日を夢見て、今日を忘れる」

という言葉があります。

 

過去の失敗にこだわり、今日を忘れてしまうと、

自分を好きになることが難しくなってしまいます。

 

過去に大きな失敗があると、いつまでもその記憶が

「失敗のイメージ」として残ってしまい、

それに囚われてしまう。

 

 

私にもそんな経験がいっぱいあります。

 

20年程前に、部下に休暇を積極的に取得してもらいたくて

「みんなが年休を取得してくれないと、私が上司に叱られる」

と冗談半分に発言したところ、

子育て中で年休を計画的に取得していた部下が、

「年休を無理矢理取得するように指示された」

と人事に相談し、上司に叱られたことがありました。


その部下には謝罪したのですが、子育ての大変さを切々と訴えられ、

大泣きをされてしまいました。

今でもその光景を覚えています。

 

上司から叱られたことよりも、自分の不用意な発言が彼女を苦しめ、

大泣きされたことが辛かった。


 

その失敗経験から、その後の数年間は、

まさに「失敗のイメージ」に支配されてしまい、

職場で休暇取得の促進を指導できなくなりました。

 


「失敗のイメージ」に囚われるとは、

同じような状況では、無意識のうちに、失敗するという感情が生じて、

行動にブレーキを掛けることが習慣化する、ということです。

 

この失敗のイメージを持ち続けると、前向きにはなれませんし、

自分自身を好きにはなれません。

習慣化するというのは、思いのほか、パワーがあります。

 

では、どのように習慣化に歯止めを掛けるかと言えば、

私は、この問題に、あの体験を思い出すんだな。

私は、この問題に、こんな考え方をするんだな。

私には、こんな行動パターンがあるんだな。

と、客観視しながら

「気づく」(アウェアネス)ことです。

 

そうすることで、

年休促進と聞くと、あの体験を思い出すんだな

だから積極的な言動を控えようと考えるんだな

だから指導には消極的な行動をするんだな

と気づくことができる。

 

また、

あの時は失敗したけど今回は違うかもしれない

あの時は経験不足だったけど今は十分あるはずだ

あの時は失敗したけど今回できるかもしれない

と前向きに考えることができるようになります。


自分には「失敗のイメージ」があるな、

と気づかれたら、習慣化の歯止めのゴールはすぐそこですよ❗️

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。