左腕が悲鳴をあげている件

朝、目が覚めた。

左腕「……」

あれ?
今日は静かだな。

と思った次の瞬間、

ズキッ。

左腕
「はいアウトーーー!!」

いやいや、
まだ何もしてないんだけど?


「何もしてないのに痛いって何事?」

動かして痛いならわかる。
整体してる時とか、
バイク乗ってる時とか。

でも今日は違う。

じっとしてるだけで痛い。

左腕
「何もしてないと思ってるでしょ?」
「こっちはずっと仕事してるんだけど」

……え?

僕「昨日そんなに使ったっけ?」

左腕「記憶消してるだけ」

僕「整体して、バイク乗って、それくらいじゃない?」

左腕
「“それくらい”を毎日やってるよね?」
「しかも左だけ」

……反論できない。

整体では、
微妙な力加減を任され。

バイクでは、
クラッチ操作を任され。

姿勢を保つのも、
なぜか左の仕事。

左腕
「使われるのはいいの」
「でもさ」

「ずっと支える役って聞いてない」

完全にブラック。

「ちょっといい?」

「今、腕と話してるんだけど」

「肩が内に入ってさ」
「体が左に傾いてさ」
「全部こっち来てるんだけど」

左腕
「ほら、上からもクレーム来てる」

身体内会議、開催中。


僕、ようやく気づく(遅い)


「……もしかして」

「悪いの、左腕じゃないのか?」

左腕
「やっと気づいた?」
「遅いけど」


「ほんとそれ」

痛い場所=悪者じゃなかった

左腕は、
サボってたわけでも
弱かったわけでもない。

ただ、
• 支えて
• 守って
• 引き受けて

限界を超えただけ。

だから
悲鳴をあげただけ。

今日はもう、何もしないと決めた

揉まない。
頑張らせない。
無理に直(治)そうとしない。

ただ一言。

「ごめんな、左腕」

そう言って、
今日は何もしないことにした。

しばらくすると、
さっきまであったズキズキが、
少しだけ遠くなった気がした。

首の重さも、
さっきよりマシ。

というわけで、

左腕が痛いとき。

それは
左腕がケンカを売ってるんじゃない。

働きすぎて、
もう無理だって言ってるだけ。

今日も左腕は、
僕の代わりにちゃんと悲鳴をあげてくれました。

ありがとう左腕。
明日はもう少し大事にします。

……多分。