好投した。でも「一発病」は克服できなかった。今オープン戦自身最速となる142キロの外角直球でヤクルト・青木から見逃しの三振を奪うなど、石川と息詰まる投手戦を繰り広げていた和田毅投手(29)が5回に均衡を破る2ランを浴びた。まだオープン戦。課題をあらためて胸に刻んだ和ッチが視線を落とすことはなかった。復活を期す今季、痛恨被弾はこれを最後とする。

■余力残した77球

 0-0の息詰まる投手戦に、不本意な1球が区切りをつけてしまった。プレーボールから1時間余りで迎えた5回無死一塁。和田がガイエルに投じた初球だ。真ん中高めに入った直球は右翼席中段にはじき返された。和田はダイヤモンドを一周するガイエルを見つめて首をひねり、秋山監督も「あの一発はいかんだろ。外国人のホームラン打者への初球は気をつけないと」と首をひねった。

 プロ1年目だった2003年の26被弾を皮切りに、被本塁打数を1ケタに抑えた年はない。通算の被本塁打率(9イニングあたりの被本塁打数)は1・02。和田は「想定内の本塁打。シーズンで気を付ければ抑えられる」と視線を前に向けたが、大事な場面での「一発病」は課題となっている。

 この被弾がクローズアップされるのも、オープン戦一番ともいえる好投を見せたからだ。6回を4安打2失点。「ブルペンから直球が走っていなかった」と打ち明けたものの、初回には早大の後輩、青木にオープン戦自身最速となる142キロを外角低めに決めて見逃し三振。「変化球で低めを突けば打球は野手の正面に飛ぶ」。6イニングまたは100球を目安に、スライダーとチェンジアップを軸に77球。余力を残しマウンドを大場に譲った。

 尊敬する石川との投げ合いも刺激になった。島根・浜田高2年夏の甲子園では一つ年上の秋田・秋田商高・石川に敗れたが、ホークス入団後の05年6月11日の対戦(ヤフードーム)でプロ初の無四球完投勝利を飾った。「雅さん(石川)に引っ張られました。いい緊張感の中で投げて楽しかった」。7回を3安打無失点でインタビューを受けていた石川のもとに歩み寄り「勉強になりました」とあいさつした。

 昨季の登板が15試合にとどまっただけに体調管理にも細心の注意を払っている。北九州市内で定期的に検査を受け、栄養状態を調べる血液検査も新たに取り入れた。「1年間を通して投げ抜くのが最低限の目標」。復活への意欲があふれる。キャンプ中に張りを訴えた左ひじも「投球回数が増えて変化球中心だったが、ひじの張りは前回よりなかった」と問題ない。

 次回の登板は19日の阪神2軍戦(鳴尾浜)が濃厚。「あと1回、登板があるので長いイニングを投げられれば」。被弾ゼロをノルマに100球前後を投げ、先発が予想される26日の本拠地開幕戦に備える。
昨日のような投手戦で一番気をつけないといけないのが1発ですから

和田には十分反省してもらって、次の登板に生かして欲しいですね

ただ、もともと力で打ち取るのではなく、配球で打ち取るタイプなので

相手の読みが合えば球速も無いですし、打たれることはあると思います

ただ、その1発がどういう試合展開で出るかという事だと思います

今年は被弾を減らせなくても、大事な場面での1発は減らして欲しいですね