この打撃、6番ではもったいない。好調の多村仁志外野手(32)がまた打った。1号ソロを含む3安打猛打賞と爆発し、今オープン戦は25打数11安打の打率・440。ベテラン小久保、松中らの状態が気掛かりなこともあり、中軸として多村の名前がクローズアップされてきた。3・20開幕戦。順調な調整ぶりが光るバットマンの打順にも注目だ。

■お得意の「右越え」

 開幕まで10日を切ったところで、代名詞の一発が飛び出した。2回2死走者無し。2ボールから大嶺の投じた142キロは真ん中外寄り、おあつらえ向きの絶好球だった。一発で仕留めた打球は、右中間スタンド中段までまっしぐら。「芯(しん)だったし、いくと思った。逆風だったけど、あそこまで飛んだらどこでも大丈夫だと思う」。お得意の「右越え弾」に多村自身も納得だ。

 このオープン戦1号にとどまらず、最初のスイングで次々と仕留めた。5回先頭では138キロの直球を左前打。昨季6タコと完ぺきに封じられた、チームの天敵でもある大嶺から2打数2安打すると、7回には代わったコーリーのスライダーをまた左前打。「結果は求めていないけど、今は振れているのがいい。一振りでとらえられている」。外見上は実にあっさりと、オープン戦初の3安打をマークした。

 これでオープン戦は25打数11安打で打率・440、長打率は驚異の・840にのぼる。三振は4個にとどめる安定感。こんな打者が6番にいれば心強いことこの上ないが、昨季も36試合で5番を務めた男だ。現状を踏まえれば、周辺の空気感が変化を見せてもおかしくはない。

 4番本命の松中はこの試合で復帰後初めて4打席に立ったばかり。小久保も前日10日の初安打からようやくエンジンがかかってきたところだけに、秋山監督もオーダー繰りには慎重な物言いだ。「一発が出て良かったな」。多村のアーチを評価した指揮官は、その多村が中軸を打つ可能性について「今は何も…」と言った後、しばし沈思黙考してから「(他の選手の)状態次第だな」と含みを持たせた。

■首痛おし休まず

 「打順? それは分からないけど、しっかり振れるようにするだけ」。そう話した多村は、今季こその目標とするシーズン全試合出場への意気込みを春季キャンプから示していた。実は終盤の約1週間、首痛に悩まされていた。プロ16年生には自重の選択肢もあったが、周囲の「どうする? 」の問い掛けに「やります」で通した。「今年はね、休まないんです」。立場を考えると当然と言えば当然の思いも、故障に泣かされ続けた男の今季への本気度を物語る。

 7日、本拠地でのデーゲーム巨人戦後に横浜市内の自宅へ戻り、前夜から東京都内のチーム宿舎入り。夫人と3人娘の姿に活力を得たマイホーム・パパは、6回2死二塁の守備でも右前打を前進気味に処理し、暴走気味に本塁突入した二走の神戸を刺した。「天候(快晴)も相まって気分がいい」と笑った多村の“収まりどころ”が注目される。
ファンからだけでなく、首脳陣や他球団からも「怪我さえしなければ・・・」と言われています

どこかのインタビューで、今までは万全な状態ではないまま試合に出たら

迷惑がかかると思い試合に出なかったと言っていました

松中・小久保から「スタメンで名前があるだけで相手が嫌がる」と言われ

考えを改めたそうですが、そもそも簡単に休んでしまう気持ちに問題がありますよね

試合に出たくても出れない選手は、多少痛くても我慢して試合に出ると思います

今まで苦労してレギュラーを取ってないのが影響してるのかもしれませんね

今年は休まないと言った多村ですが、どうなるのか・・・