手元で伸びる直球に打者は反応できなかった。和田が4回を1安打無失点。4奪三振はいずれも直球が決め球だった。2回のスレッジ、吉村の2者連続など、そのうち3個は見逃し三振。「前回より直球がよかった。140キロを超えてきたし、自分らしい球があった」。抑えて当然と言わんばかりに平然とベンチに戻った。 2010年型の投球は着実に完成へと近づいている。初回だ。2番山崎をこの日最速となる141キロの外角直球で空振り三振。「狙い通りに取れた」と直球の好感触をつかむと、続く内川は外角低めへの115キロのカーブで右飛に打ち取った。球速差26キロ。「いい打者に2球連続でカーブを投げて打ち取れた。これから使いやすくなる」と収穫を喜んだ。 バックネット裏のスコアラー陣は顔をしかめた。楽天の行木スコアラーは「昨季は緩急がないのが唯一の攻略の糸口だった。投球の幅が広がっている」。26日のヤフードーム開幕戦で対戦するオリックスの依田スコアラーは「直球の球威はこの時期なら十分。(ひじの張りからの)回復具合は早い。後は調整だけ」と順調な仕上がりぶりに警戒心を強めた。 三塁側ベンチには、2005年までホークスで投手コーチを務めた尾花監督。「対戦するのは打者だけど、尾花さんをはじめ、岡本さん(投手コーチ)や篠原さんもいるから楽しみ。今年もいい球を投げているな、と思わせたい」と発奮材料にしてマウンドに向かった。教え子の恩返しに、尾花監督は「首脳陣も安心なんじゃないかな。エースなんだから、杉内と一緒に頑張ってもらいたい」とエールを送った。 秋山監督は「球も走っていたし、指のかかりもよかった。低めに伸びのある球があった」と賛辞を贈った。次回登板は12日のヤクルト戦(神宮)の予定。「結果として(現状は)悪くない。長いイニングを投げる中で、シーズンに近い精神状態で投げたい」。ひじの不安をぬぐい去った左腕は、また一段ギアを上げる。キャンプ中に肘痛を訴え、実戦登板のないままOP戦に入りましたが
前回に続き今回も見事なピッチングを見せてくれました
直球で押していくタイプではないので、コントロールや組み立てが大事になってきますが
今の状態は良いみたいですし、本人も言うように後は長いイニングですね