「3・20」へ貫禄(かんろく)発進だ!! 福岡ソフトバンクの杉内俊哉投手(29)が14日、春季キャンプ初の実戦となる紅白戦に登板し、2イニングを無安打無失点。昨季は多用しなかった左打者へのチェンジアップもさえ、昨季の奪三振王の風格を漂わせて3奪三振もマーク。バックネット裏に陣取る他球団のスコアラー陣を驚かせた。次回登板は20日の紅白戦の予定。3月20日に控える日本ハムとの開幕戦(札幌ドーム)に向け、すこぶる順調だ。 ■「興奮するね」 マウンドで躍動する姿が「開幕OK」のサインだった。江川、中村を連続三振に料理し、杉内が威厳すら漂わせてマウンドを降りた。2万1千人の観衆を前に、「興奮するね。野球しているなという実感があった。シーズン通りのピッチングができた」。家族、高校時代の恩師も見守る中、本番モード全開で、目標のシーズン21勝に向け、快調に準備が進んでいることを証明した。 直球は初の実戦にもかかわらず最速143キロをマーク。オーティズを空振り三振に仕留めた「伝家の宝刀」チェンジアップは、フェアゾーンに飛ぶこともなかった。「直球の指のかかりも変化球の抜け具合もよかった」。直球とのコンビネーションで今季も三振の山を築く気配はたっぷりだ。 ■長谷川「やっかい」 快投を見守った高山投手コーチも「思った以上に球が来ていた。左打者へのチェンジアップも取り組んでいるみたいだし」と目を細めた。対戦した長谷川は「自分の場合は内角に来た。直球と思うと球が来ない。外角に来たら、スライダーに見える。やっかいな球ですね」。エースに最大限の敬意を払った。 昨季苦手とした楽天へ堂々の宣戦布告になった。楽天の行木(なめき)スコアラーが舌を巻く。「変化球の精度、特にチェンジアップが素晴らしい。昨季は左打者に投げてなかったけど、楽天の打者には嫌な球。左投手で一番マークする」。防御率4・22と苦しんだが、同じ轍(てつ)は踏まない。 キャンプでは打撃投手を務めずに、紅白戦登板を迎えた。「不安はあった。でもブルペンで思った以上の球が投げられた。(打者という)目標物があると力が入る」。自己採点は「85点」。スライダーが曲がりすぎてボールになったマイナス部分も十分に修正可能だ。 ■“苦手”克服の魔球 肌寒い曇り空の下、過去に指先の血行障害を患ったこともある左腕はパフォーマンスを落とさなかった。1月の自主トレから元球団トレーナーを帯同させ、体のケアを怠らない。「ケガが一番怖いから」。秋山監督も朝の円陣で「寒くなってきたから体調管理に気を付けるように」と選手に言葉をかけた。開幕まで34日。限られた時間の中で最善を尽くし、万全の状態で札幌に乗り込む。 次回は20日の紅白戦に3イニング投げる予定。その後のオープン戦で土曜日ごとに中6日で登板して調整すれば「3・20」を迎える。秋山監督は「順調だね。開幕まで逆算して調整? そうだね。安定しているから。球持ちがいい」と全幅の信頼を寄せる。杉内自身も「これから実戦の勘を養えば十分」。最強左腕が軽やかに滑り出した。開幕でダルビッシュと対戦する事がほぼ決まっていますが
開幕だけ良くても意味がないですからね
ただ、杉内が長くマウンドに居るという事はチームが勝ってる時だと思います
それには三振も必要ですが、省エネ投法も必要だと思います
そういう事が出来るのであれば、今年に200勝も達成出来ると思います