■体幹強化 まだ振り込む段階でなくとも、主砲の脳裏には2010年型打法の確かな「絵」があった。グアムの夕日を背に松中が不敵に笑う。「もうすぐお手本のDVDが来ます」。知人のテレビ局関係者を通じ入手する“お手本”とは、MLB最多の通算762発男、ボンズの映像。それも「日米野球にも出た、全盛期のころ」のものだという。 昨年10月、左ひじとともに手術を受けた右ひざはリハビリ途上。午前10時から約5時間の練習に強弱をつけている。「アスファルトの上を走るとひざにくるし、公園もアップダウンがある。正直、思ったよりも走れていない」。現時点では春季キャンプも第2クールまでは走り込みにあてる予定だ。ただ、松田ら後輩のティー打撃を指導する合間にふと素振りをする場面もあり「暇さえあれば打撃のイメージはつくっている」と言う。 新打法の極意は「ひざに負担をかけず、呼び込んで遠くに飛ばす」。昨年末は三冠王となった04年、自己最多46発を放った05年と、成績が伸び悩んだ06、07年を映像で比較。今度はボンズの映像を分析し、ヒントを得る。「昨年のステップ幅や、感覚的な部分を、いかに(右ひざが)普通の状態で生かせるか」。間をとるために足を高く上げる日本式から、足の上げ方が小さいメジャー式への転換も模索中だ。 今オフは球団からのメニューに加え、元ナショナルズ・トレーニングコーチの友岡和彦氏による体幹強化メニューを採用。「今までは上半身、上半身…だったけど、ひねり、ねじれというかね。打つためにどういうトレーニングがいいか聞いた」。後輩たちが坂道走をする間は5キロのメディシンボールで体幹強化。体軸に力を集中させ、一気に投げる動作は、左打席での動きそのものだ。 ■米は31歳 新打法完成の先に見据えるのは04年以来の三冠王だ。「成績もだし、評価も落ちた。今年から継続して2年、3年と技術、体力を示したい。存在感を出したい」。逆襲開始の10年に「最高の成績を残したい」と断言。日本では恩師の王貞治(現ソフトバンク会長)が2度目の三冠王となった1974年の34歳シーズンが最高齢。米国の三冠王も34年ルー・ゲーリッグ、66年フランク・ロビンソンの31歳シーズンが最高で、36歳の年で達成すれば世界初の快挙だ。 第2クールはあす17日で終了。19日からの第3クールでは宿舎に近いイパオ公園から、韓国・三星もキャンプを張るレオパレス球場に拠点を移し、平たんなグラウンドで走り込みを強化する。まだまだ調整ペースは流動的ながら「開幕スタメンで絶対に出る」と目標はぶれない。「楽しみがすごく大きい」と話す松中の目は、爆発の瞬間しか思い描いていない。去年のあの状態でもHRを打つ事が出来たので
秋山監督も「何かを掴んだんだろう」と言っていました
今はまだリハビリ中ですが、本人も楽しみと言っていますし
個人的にも、松中は怪我さえ治れば成績は残すと思っているので
後はしっかり調整して、ダメな解きは去年のように無理させないようにして欲しいですね