悔しい敗戦の中に光明が見えた。楽天のエース岩隈久志投手(28)を攻め込みながら、得点は“スミ1”。ひっくり返されて1点差で競り負け、19日から始まる交流戦前の借金完済の望みが絶たれた。光明はプロ初先発で岩隈をしのいだ藤岡好明投手(24)。打たれても粘って耐え、5回を無失点。首脳陣の絶賛を浴びて交流戦での5人の先発陣入りが決まった。 華麗なる“転身”を自らの右腕で実現させた。プロ初先発の藤岡が楽天エース岩隈と投げ合い、5回無失点の満点投球。「正直、自分がここまで投げられるとは。先発として最低限の仕事はできました」。チームは逆転負けを喫したが、その輝きは薄れない。交流戦「第5の先発」をがっちりとつかんだ。 2回には3安打を浴びながら、併殺打を奪うなどして耐えた。1点リードの5回2死一、三塁では、カウント1-1から低めへの142キロ直球で小坂を力のない中飛に打ち取った。「まずは低めに投げることを意識した。相手や点差を考えることもなかった」。5回82球。心地よい疲労感とともに、プロ入り初の大役を全うした。 キーマンを封じたからこそ岩隈に“投げ勝った”。21試合連続安打中と楽天の球団記録を更新している草野だ。試合前の打率は・446。野村監督に「天才」と言わせるヒットマンを初回2死からスライダーで空振り三振。3回2死二塁ではカーブで空を切らせた。「草野さんに打たすと厄介なので、打ち取れて良かった」 草野より8歳下だが、2006年の同期入団。藤岡はJR九州、草野はホンダ熊本と同じ九州の社会人野球で切磋琢磨(せっさたくま)した。04、05年の都市対抗では草野がJR九州の補強選手としてチームメートになったこともある。 新人イヤーの06年春。第1回WBCの代表合宿がヤフードームで行われた。イチロー(マリナーズ)の打撃練習にくぎ付けとなった藤岡は「打球音が違う。社会人にもそういう人(草野)がいた。あの人がプロで打てなかったら仕方ないというぐらい抜けた存在」。ヤフードームで四球に左翼線二塁打と圧倒された07年9月29日以来、2シーズンぶりに顔を合わせ、藤岡は雪辱した。 新垣、ロー、大場と先発要員が次々と脱落した中での好投。高山投手コーチは「立派だった。落ち着いて堂々と投げていた」とたたえた。交流戦は先発5人態勢で臨む方針。5人目の先発要員として「そういう内容の投球だった。その方向になると思う」と高山コーチは当確ランプを示した。 「今後どういう場面で任されるにしろ、今日の登板は自分にとってかなりのプラスになると思う。チームが勝たないと意味がない。次、また頑張ります」。交流戦前の借金完済はかなわなかった。それでも先発陣に明るい光が差し込んだ。昨日は6回以降の流れが悪く、逆転負けを喫し、藤岡に勝ち星はつきませんでしたが
初先発で5回を無失点に抑えてくれました
計算が出来る投手は和田・杉内・ホールトンの3人しかいないなかで
藤岡がここまで投げてくれたのは大きいですね
このチャンスを手放す事無く、今後も快投を期待したいですね