■青木へ「支えてくれてありがとう」 「天国か地獄。上に行けてよかった」(イチロー) 5回の1点がいろいろな意味で大きかった。無死一塁で、イチローがバントを失敗。チャンスはしぼみかけたが、中島裕之が粘って四球で繋ぐと、3番の青木宣親がセンター前へ。二塁から岩村明憲が生還して、ベンチが沸いた。――イチローを除いて。 このときの苦しい胸の内。イチローが明かす。 「3打席目のバントの失敗で、ほぼ折れかけていた心がさらに折れて、僕だけキューバのユニホーム(を着ているよう)に見えた……」 青木のヒットが結果的にバント失敗を消し、救われたイチローは「支えくれてありがとう」と素直に感じたという。 ■「すてき」という言葉に込められた思い 「流れを止めてたのは、完全に僕なんで……」 不振の間は、「監督と目が合うときも痛かった」とさえ漏らしたイチローだが、まさにこの頃が、最悪の時。ようやくそこから脱したのは7回で、再び無死一塁で打席に立つと、打球は高いバウンドで、ファーストの頭を越えていった。 2次ラウンドに入って初めてのヒット。イチローはこの時、一塁ベース上で、こんな思いを噛み締めていたそうだ。 「流れ的には厳しい状況だなあ、と感じながらのヒット。それだけに大きい。あの打席からようやく、ジャパンのユニホームを着ていたという感じ」 同時に、チームメートの支えに頭を下げた。 「みんな頑張っていた。折れかけの心を支えてくれているのはみんなだっていうのも、分かっていた。(僕の不振が)伝染して、感染して、影響するとね、本当にもう、シアトルへのキップを買うしかなくなるので、チームメートが繋いでくれるっていうのは……すてきですね」 最後は、少し言葉に詰まる。不振のチームリーダーは若い選手に支えられながら、決勝ラウンドへ。「すてき」という言葉に込められた思いは、重いものだった。 ■決勝ラウンドでイチローに求められるもの イチローは気を取り直して言う。 「(僕が)チームに貢献するっていうのは、ヒットを打って、得点することなんだなって、あらためて思いましたね。それはいつでも、チームがどんな状態でも、そうなんだと思います」 それが、ロサンゼルスでの決勝ラウンドでできるかどうか。 苦しい時に支えてくれた仲間を、今度はイチローが支える番である。ここまで素直に話すイチローはなかなか見れないと思います
それだけWBCにかける思いも強く、またプレッシャーも相当のものだったのでしょうね
ヒットを打つ事・3割を打つ事・シーズン200本安打を打つ事が当たり前だと思われてる
イチローだからこその苦悩もあったでしょうね
スロースターターなイチローですが、そういうレベルではない打撃不振でした
きっと色々と考えていたんだと思います
昨日の2本のヒットで少しは楽になったと思うので、少し期待したいですね