昨年1月に手術を受けた右肩のリハビリに励んでいる福岡ソフトバンクの斉藤和巳投手(31)が25日、宮崎春季キャンプ終了後のB組調整を志願した。現在は投手陣のリーダー役としてA組で調整しているが、今キャンプ中のブルペン入りは断念。選手会長としても存在感は大きいだけに、チームへの影響を考慮。28日からのオープン戦には帯同せず、B組調整を続ける見通しが高くなった。

■悩み抜き決断

 悩み抜いた末の決断だ。斉藤は自身の現状を受け止めたうえで、今後の調整への見通しを明かした。「これから開幕を迎えるチームの中で、こういう選手がいるのはどうなのかと思う」。復活を目指すエースは、春季キャンプ後のB組行きを志願した。

 今キャンプは、本格的な投球再開のメドが立たない中で2年ぶりにA組入りした。首脳陣は選手会長、さらに投手陣のリーダーとしての存在感にも期待。それに応えるように、自らのリハビリに加えて“お目付け役”も務めてきた。

 しかし、個人の調整は進まなかった。「キャッチボールの質は上がっている。でも、ボールの質と肩の状態のバランスが取れていない」。昨年12月10日に西戸崎合宿所のブルペンで、429日ぶりにマウンドに立って以降、この日までブルペンに入っていない。「明日(26日)入ることは間違いなくない」と、1球も投げ込むことなくキャンプを終える。

■見えない明日

 悩みの根源は“見えない明日”にある。「その日になってみないと予定が立てられない」。当日の右肩の状態を見ながら、キャッチボールなどの練習メニューを組み立てる毎日。「前日から次の日の予定が立てられるようになると、次の段階に入る」。その段階には達していない。

 当然、戦列復帰の時期も読めない状態だ。高山投手コーチが「和巳には(ブルペン入りに)完ぺきな準備をしてくれとだけ言っている」と明かすように、首脳陣は一貫して調整を本人に一任。この日の練習後も、宿舎でキャンプ後の調整について話し合った。

 A組はきょう26日にキャンプを打ち上げ。27日の休日を挟み、28日からオープン戦に突入するが、斉藤は帯同しない方向だ。「キャンプ前は(肩の状態が)ここまできていなかった。上がっていると言えば上がっている。新しい壁が見えてきたので、どう乗り越えるか試行錯誤している」。ようやく見え始めた光明に向かって、焦らず、じっくりと孤独な歩みを進める。
まぁ、ある程度予想はついていたのでショックはありませんが
本人は思ったより進んでいないので焦りもあるようですね
ただ、こればっかりは少しずつ前に進むしかないですから、何とか踏ん張って欲しいですね