19歳、秋山野球の申し子が外野戦争に見参! 福岡ソフトバンクの中村晃外野手が第5クール3日目の21日、紅白戦で秋山幸二監督(46)をうならせた。同点に追いつく中越え三塁打を含む2安打をマークし、守備や走塁でも猛アピール。秋山監督も「打つ方は十分に通用する」と激賞だ。高卒2年目の伸び盛りが、激烈な外野定位置争いに殴り込みをかける。

■マルチ決めた

 慌てない、焦らない。はつらつとした若さだけでなく、高卒2年目の19歳とは思えない落ち着きぶりが光った。
 初回無死三塁からの適時三塁打。カウント2-1と追い込まれても、中村の気持ちは追い詰められてはいなかった。「外野フライでも1点」。好球を待って粘る。ファウルで3度しのいだ7球目。外角のチェンジアップをギリギリまで引きつけて振り抜いた。打球は広い守備範囲を誇る中堅手・辻の頭上を越えていった。
 3回は足だ。遊失で出塁すると「エラーの直後で投手も内野も動揺しているはず」。スキを突き、カウント1-2から鮮やかに二塁を陥れた。
 最後は肩だ。8回2死満塁から中西の打球が左翼を守る自分の前に転がってきた。1点は仕方ないが、二走も本塁へ向かっているのが見えた。「いける!」。判断よくワンバウンド送球。入団後に一塁手から転向したとは思えない俊敏な動きで本塁突入を阻止した。
 まさに秋山野球を体現した走攻守。確かな成長を示した若武者を、秋山監督もべた褒めだった。「打撃はしぶといね。練習でもしっかりボールをとらえている。送球もボールが伸びるし、足も走る意欲がある」

■外野争い参入

 激しい外野争い。もちろん状況が厳しいことは分かっている。それでも中村は力を込めた。「ただ1軍に入るのではなく、外野のレギュラーをもぎ取りたい」。目標は限りなく高い。「強い気持ちを持ち、受け身にならない。1年目はそれができずに失敗したんです」と目をぎらつかせた。
 高い潜在能力は、首脳陣の心も揺り動かし始めた。中村の打力を生かすため、外野とともにA組の一塁守備にも加わらせている。「1軍で出場できるならポジションは関係ないですから」。紅白戦後は、そのままA組の内野手とともにサブグラウンドで一塁手として泥にまみれた。
 輝きを増す19歳。外野戦争を加熱させるだけでなく、A組全体を活性化させている。
今年は例年以上に激しいスタメン争いとなりそうです
それだけ外野手の層が厚くなったので楽しみですね
怪我の多い多村、ベテランと呼ばれる松中・柴原・村松に中西・井手・中村の若手
新外国人のアギーラに荒金・辻などの中堅選手もいます
ベテランに頑張って欲しい気持ちもありますが、若手がチーム内を活性させて欲しいですね