王イズムは「89」とともに-。今季限りで勇退する福岡ソフトバンクの王貞治監督(68)の背番号「89」について、竹内孝規最高執行責任者(COO)は28日、後任監督に引き継がせる案を示した。現時点では「永久欠番」とすることも含めて検討中ながら、竹内COOは「王イズムを継承する意味で」と、今後もホークスの監督の背番号とする可能性を示唆。実現すれば、新監督がそのまま「89」を背負い、次世代の監督にも引き継がれることになりそうだ。

 王監督の「89」は生き続ける。1995年から14年間で3度のリーグ優勝と2度の日本一。苦難と栄光の歴史を見守り続けてきた背番号が、新生ホークスに引き継がれる可能性が出てきた。竹内COOは「まだ何も決めていない」と前置きした上で、後任監督に背負わせる案を示した。

 王監督が就任以来背負ってきた「89」の勇退後の扱いについて、竹内COOは「両方、考えている」と説明。そのひとつを「これまでの功績に敬意を表してそのままにしておくこと」として、永久欠番を検討していることを明かした。

 現在ホークスには永久欠番制度はないが、2000年に現役選手のまま急逝した故・藤井将雄投手(享年32)が着けていた「15」と、05年オフに米メジャー・マリナーズに移籍した城島健司捕手の「2」は空き番のままで“準永久欠番”的な扱い。王監督の「89」を初の正式な永久欠番としては、との意見も球団内で浮上している。

 ただ、11年ぶりにBクラスに沈んだチームの再建を託される新監督は、王監督が築き上げたホークスの野球を引き継ぐ人物となる。そこで、背番号を引き継いでもらう案が浮上した。「王イズムの継承という意味で、さらに野球(89)に通じる番号でもある」と竹内COO。王監督の後継者と位置づけるからこそ、あえて重い番号を背負わせる考えを明かした。

 永久欠番を除いて、名選手の背番号が引退、移籍した後などに、期待の若手に引き継がれるケースは多い。だが、前監督の番号をそのまま後任が背負うとなれば極めて異例のこと。「89」はホークスだけでなく、06年3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)でも王監督が背負った「世界一」の番号でもある。

 後任監督が「89」を引き継ぐ場合は、時間を空けてではなく来季からとなる見込み。新体制は組閣も同時に発表する方針で、背番号「89」の扱いもそれまでには決まるとみられる。現在、球団は秋山チーフコーチの内部昇格を軸に、後任の選定作業を急いでいる。「野球」にひっかけて王監督がホークス監督就任時に自ら選んだ「89」は、その理念のまま次世代に渡される。
背番号89に王監督の姿をダブらせる選手もファンも多いと思います
王イズムは継承しても、いつまでも王監督の後ろを追い続けていたら
今のホークスから強いホークスに変わる事が出来ないと思います
ホークスの89番は王監督だと思うので、個人的には欠番にしてもらいたいですね