守護神の復帰マウンドが決まった。右肩炎症で2軍調整が続く福岡ソフトバンクの馬原孝浩投手(26)が、4日のウエスタン・リーグ広島戦(ヤフードーム)で実戦登板する。30日は西戸崎室内練習場で打撃投手を務め、3月8日の広島とのオープン戦以来114日ぶりに打者相手の投球を行った。変化球も交えた全38球のうちヒット性の当たりはわずか2本、バットをへし折る貫禄(かんろく)の投球。「今の段階では良く投げられました」。守護神がいよいよ帰ってくる。

■38球の真剣勝負

 復帰Xデーを前に猛烈なデモンストレーションだ。馬原の存在が際立った打者4人、計38球の真剣勝負。レストビッチから空振りを奪い、荒金のバットを根元からボキバキと三つ折りにした。「打者がいる方が投げやすいし、緊張感を味わえた。変な力みもなかったです」。114日ぶりに打者と向き合った守護神がほほ笑んだ。

 GOサインは自ら出した。6月4日に初めて捕手を立たせてのブルペン投球。22日には捕手を座らせ、28日には変化球も解禁した。「機会があればすぐにでも(打者相手に)投げたいと思っていた」と、この日のフリー打撃登板を志願した。

 ひとたびマウンドに上がると守護神の姿だった。本間、井手、荒金、レストビッチと1軍経験メンバーを手玉に取った。バットを折られた荒金は「力強く重く感じた。スライダーやフォークも良かったし、久々とは思えなかった」と脱帽。見守った藤田2軍投手コーチも「順調そうだね」と何度もうなずいた。

■リリーフで1イニング

 順調に階段を上る守護神の復帰スケジュールも明らかになった。7月4日は本拠地ヤフードームで2軍戦が行われる。雨の心配もなく、ナイター開催と好条件がそろった。リリーフとして1イニング登板する予定だ。「肩の状態は問題ないし、間隔を空けずに実戦でどんどん投げていきたい」。2軍も1日から2週続けての6連戦が組まれており、そこで連投テストも行われる予定となっている。

 不動のクローザーの吉報に王監督は「ここまで我慢したんだから」と慎重ながら、復帰の時期を初めて口にした。「球宴明けの8月かな。それくらいに戻ってきてくれればね」。ペナントレース終盤の8、9月を勝負と位置づける王監督にとって、馬原の復帰は何より待ち望んでいたことだ。

 もっとも、ペナントの行方を左右する大事な夏場の戦いへ向け、クローザー不在のチーム状況では前倒しの1軍昇格も十分にあり得る。藤田2軍コーチも「本人と話しながらになるが、何試合(下で)投げるかは決めてない」と話すなど、必ずしも球宴明けまで待つつもりはない。

 投球後は息つく間もなくバント処理の個人練習に向かった。「リリーフとして重要な場面では1つのアウトが大きい。クイックなどスキを与えない投球をしないといけない」。言葉に自覚をにじませた守護神。V奪還のカギを握る背番号「14」が4日、満を持して本拠地のマウンドに上がる。
ここまで順調にきているだけに最後の詰めは慎重にして欲しいですね
確かに1軍は後ろが固定出来ていないので馬原は必要ですが
無理にというか前倒しで上げる事はして欲しくないですね
万全の状態で上がってきて欲しいですし、秀聡に期待しましょう!