助っ人左腕が、ようやく大きな仕事をした。3番手のニコースキーが絶体絶命のピンチを救った。2-2の8回無死満塁から登板し、この回をわずか5球で乗り切ると、9回も無失点。本多のサヨナラ打を呼び込み、3月22日楽天戦以来の2勝目を挙げた。

 罵声(ばせい)を浴びせられ、小さくなったかつての姿はなかった。8回無死満塁。楽天が代打に左の草野を告げたところでマウンドに立った。「とにかくストライクを取ることに集中したよ」。草野にはカットボールで二ゴロを打たせて本塁封殺。吉岡、山崎隆は初球のカットボールで中飛、三邪飛に仕留めた。「フィールグッド。どんな投手でも厳しい場面で投げたいと思っている。そこで結果が出せてうれしい」と、チームのしんがりで悠々とバスに乗り込んだ。

 シーズン序盤はストッパーに指名されたが、4月のロッテ3連戦で2敗を喫した。「カットボールが決まっていない」と、自ら原因はわかっていても結果は出せずに2軍落ち。5月18日の再登録後も背信投が続いていたが、22日巨人戦では交流戦優勝のラストを締めるなど、これで7試合連続の無失点投球となった。

■親子の結束

 北九州への移動前は「鬼コーチ」に変身していた。家族5人でヤフードームを訪れ、グラウンドで長男マシュー君(8)を熱血指導。キャッチボールに始まり、打撃練習、ノック、バント練習…。「両手で取るんだ!」「バットをしっかり寝かせて!」と親子で汗だくになって走り回った。

 飲み物を差し入れた山川コンディショニングコーチには「何て言うんだっけ」と礼儀まで指導。マシュー君に「アリガトウゴザイマシタ」と日本語で頭を下げさせた。

 今季初勝利以来、97日ぶりのお立ち台。「日本一のファンの声援をもらいながら投球できている」と観衆を沸かせると、「アリガトウゴザイマシタ」と頭を下げた。チームに勢いを与えるとともに、父親の威厳も示した登板だった。
阪神戦で炎上した後からは比較的安定しているニコースキー
このままの状態を続けてくれたら中継ぎも計算出来るようになりそうですね
全員が好調の時は無いと思いますし、調子を見極めて起用して欲しいですね