大一番に動じないベテランのすごみが、試合後の大村の言葉に凝縮されていた。「勝ちたい、打ちたいと強く思うと若い選手と同じ。強く思えば力みにつながる。謙虚にやるだけ」。2打点猛打賞で交流戦初Vに貢献しても冷静だった。

 値千金の同点打だった。1点を勝ち越された6回2死一塁、カウント1-2。内海の真ん中スライダーを逃さなかった。打球は右中間に抜け、一気に一走松中が生還した。

 「こういう試合は失投の見逃し一つで致命的になる。その意味ではいいヒット」。初回1死満塁では、初球打ちで二塁適時内野安打。直前に4番小久保が空振り三振し、失いかけた流れを1球でせき止め、前回まで2試合17イニング無失点の内海から先取点をもぎ取った。

 土壇場で1軍に帰ってきた男が、チームを救った。21日に再登録され、2試合連続マルチ安打。右太もも裏痛で開幕を2軍で迎え、最初の1軍合流は5月2日。だが、ウエスタン・リーグでフル出場もしていない状態では、「怖さはあった」。自ら志願し、5月25日に登録抹消。足腰を鍛え直し、ウエスタン・リーグ2試合にフル出場するころには、「右足の状態は100%。怖さはない」と手応えを感じていた。

 存在感は増すばかりだが、「(調子は)別によくないよ。今のところ結果が出ているだけ」。そこには「野球は連勝もあれば連敗もあるもの。いちいち気にしてられへん」と、常々口にする大村の野球観がある。首位西武を追撃する上で、欠かせない戦力であることをあらためて証明。いぶし銀の渋みが一段と際だった。
いつもの大村節が帰ってきましたね~
勝負強いバッティングは健在です!
でも、来年ホークスにいるのか分かりませんが(汗)