川崎の視野の広さにビックリ:押谷謙爾
意外と? 器用な足さばきに驚いた。ソフトバンク川崎、井手、本多、福田の合同自主トレの取材で鹿児島県姶良町へ。午前のウオーミングアップでサッカーをしていて、川崎のボールの持ち方がうまいのだ。イチローとの年末の合同練習では1人でドリブルする姿を拝見していたが、この日はミニゲーム形式。敵味方がどこにいるかうまくヘッドアップ(顔を上げる)しながら、足元でキープしていた。パスを出す時、スペースで受ける時と、非常に落ち着いてボールを扱っていた。
一昨年前までサッカー担当だったが、川崎は非常に視野が広い選手だと思う。体のバランス感覚もよく、左右に切り返した後も体勢を崩さない。昨シーズン、ショートの守備位置を前年より1メートル後方に下げていた。「森脇さん(内野守備走塁コーチ)に後ろにしようと言われた。打球が見やすいからね。でも前に行くのが遅れると相手をセーフにさせちゃう。ただそういう位置で守れる自信はあったし、いろんな打球に追いつけた」。これは視角の広さを物語るコメントの1つだろう。今季はさらに守備位置を広げ、かつ安定したプレーを目指している。別の競技から川崎の高い能力を感じる日だった。
練習の最後は担当記者を交えたリフティング対決で盛り上がったが、ヘディングに失敗した僕は顔面でボールをとらえ、鼻頭の痛さと視野の狭さを覚えた。