エース不在でもV奪回を果たす! 福岡ソフトバンクの王貞治監督(67)が8日、米国で右肩手術を受ける斉藤和巳投手(30)の復帰時期について「来年と考えている」と語り、長期離脱を想定していることを明かした。リハビリを最優先させることも明言。この日は福岡市内で開かれた新入団選手発表会見に出席し、大卒新人の大場や久米はもちろん、2年目の大隣ら現有戦力にもエース不在の穴を埋める活躍を期待した。

 初春の悪夢は、事実上の“今季絶望”と受け止めていた。米国で右肩の手術を受ける斉藤について、王監督が極めて現実的な予測を口にした。電話で言葉を交わし、斉藤とチームの将来を見据えた上で手術の決断を支持したことも明かした。

 王監督「本人とも話をして、手術が1番だと考えた。手術するわけだし(復帰時期が)8月や9月とプレッシャーをかけてもね。シーズンの大詰めで出てくれれば心強いが、来年という形で考えた方がいい。遠回りはするけどね」

 5年ぶりのV奪回を誓う今季だが、すでにエース不在の戦いは覚悟している。「我慢してでも本来の持ち味が出せるようにね。去年と同じ投球内容では本人も納得できないだろうし、チームも困る」。昨季は中10日以上の変則ローテで6勝を挙げたが、王監督は完全復活を最優先させる。

 投手陣に君臨するエースの長期離脱。普通の監督ならマイナス思考に陥る可能性もあるが、超プラス思考の王監督は全く違った。大場ら5人の新人選手が並ぶ入団会見を見回して「若手にとってチャンス」と強調。今季は“禍(わざわい)転じて福となす”覚悟だ。

 「(左手首手術の)小久保や斉藤は開幕にいないだろうが、他の選手が補っていかないと。前向きにとらえてね。いろんな選択肢を頭に入れていきますよ」。一丸で穴を埋めれば、十分に戦える。王監督の育てたホークスには、それだけの素材がそろっている。

 ルーキー大場は開幕投手への挑戦を宣言。久米も先発での2ケタ勝利を誓った。「(新人の)5人だけじゃなく、2年目の大隣や(秋季キャンプで注目した)高橋徹もいるわけだからね」。斉藤以外の先発4本柱も万全ではないだけに、新戦力の台頭は不可欠だ。

 波乱含みの開幕となる2008年シーズン。それでも、王監督のスタイルは不変だ。「チャレンジャーとして、開幕からホークスらしい戦いをする。勝つことを前面に出してね」。福岡への本拠地移転20周年を祝うためにも、王ホークスが総力戦でペナントを強奪する。
今年のルーキー以上に今まで期待されて入ってきた先輩に頑張ってもらいたいですね
特にここ数年くすぶってる投手には頑張ってもらいたいですね!