鷹の1巡目はもう一人の「翔」だ! 高校生ドラフトが3日、東京都内のホテルで行われ、福岡ソフトバンクは1巡目指名で大阪桐蔭(大阪)の中田翔外野手を抽選で外したが、外れ1巡目で市船橋(千葉)の151キロ右腕、岩崎翔投手を指名した。今夏の甲子園で初めて150キロを記録するなど伸びしろ十分の186センチ右腕は、同じく長身のエース斉藤和に熱視線。「直球を磨いて、将来は日本を背負えるくらいの投手になりたい」と目を輝かせた。 その瞬間、17歳の顔はガチガチにこわばっていた。目をそらし、まともにテレビを見ることができない。学校敷地内にある部室で見守った、運命のドラフト中継。「しっかり見ろ! 」。野球部の桜内監督に促されて画面を見ると、王監督がクジを引き当てていた。 「プロに行きたいのが一番だった。自分はクジで引いてもらうほどの選手ではないと思っていたのに、指名してもらって本当に嬉しかった」。大勢の報道陣に囲まれた会見中も、愛用のハンカチで汗をふきふき。初々しい緊張感と笑顔の中に、あこがれの世界に飛び込む喜びがにじんだ。 3カ月で夢の扉をこじあけた。4月、就任したばかりの桜内監督に「上から投げたい」と直談判。高校進学後、横手投げにして伸び悩んでいたが、フォームを戻したことで最速137キロが7月には10キロ以上もハネ上がった。甲子園では初戦敗退ながら初めて150キロを計測。プロへの道を不動のものにした。 上手投げにすると、プロ野球を見る視点も変わった。「好きなのは斉藤和巳さんとか、ダルビッシュさん。目標というか目指したい」。斉藤和が192センチ、ダルビッシュは196センチ。2人に比べれば低いものの、岩崎も186センチの長身だ。テレビ中継は録画して自分なりに研究。豪快に投げ下ろし、遠慮なく内角を突く強気な投球も自分の持ち味だ。「基本的なことから、すべて聞いてみたい」。球界を代表するエースの姿に、未来の自分をだぶらせた。 「ソフトバンクはすごい投手ばかり。アピールしていかないと1軍のチャンスはない。でも、逆にそういう中でやれるのは幸せ。将来はチームのエースとして投げて、日本を背負えるくらいの投手になりたい」 いつもは午後11時には寝るのに、ドラフト前夜は午前1時すぎまで眠れなかった。中田、佐藤、唐川の「ビッグ3」に注目が集中した日、自らの運命もまた決まった。「同じ年で刺激もある。今は遠く及ばないけど、少しでも追いつけるようになりたい」。高く強い志とともに、大きな可能性を秘めたもう一人の「翔」が羽ばたいた。サイドからの転向でプロの夢を掴んだ岩崎
ホークスにはいろんなタイプの投手がいるので勉強するには良い環境だと思います
和巳を目標に未来のエースとして、日本の野球を、ホークスを盛り上げて欲しいですね!