エースよ、どん底のチームを救ってくれ!! 貧打にミスが失点につながる最悪の展開で今季4度目の4連敗。残り10試合で王貞治監督が優勝のデッドラインと想定した60敗に到達してしまった。きょう23日からは3・5ゲーム差で首位日本ハムと今季最後の直接対決2連戦。王監督は初戦に先発する斉藤和巳投手(29)にV奪還へ命運を託した。もう一つも負けられない。エースの快投で勢いを取り戻し、天王山2連勝を飾るしかない。

 もはやうつむき、立ち止まる猶予もない。今季4度目の4連敗で60敗。自ら優勝のデッドラインと見定めた負け数に達した。グッドウィルドーム109段の階段を一気に上った王監督は、エースにすべてを託した。「精神的に一番タフな男。今のチーム状況では一番、頼れる存在だから」。一つでも落とせば「V逸」の2文字がくっきり浮かび上がる日本ハム2連戦。カード初戦の先発、斉藤和がチームの命運を背負いマウンドに上がる。

 この日は先発ガトームソンが今季最短3回で4失点KO。「今の得点力だと、先に取られるとしんどい」。以後もリリーフ陣が走者を残し降板、失点という後手の展開だった。すでに2年ぶり勝ち越しを決めている、Bクラスに沈む西武相手に喫した痛恨の2連敗。また繰り返されたお付き合いで、首位日本ハムが敗れた好機を生かせなかった。首位との3・5ゲーム差は据え置きだ。

 厳しいチーム状態の中、きょう23日から日本ハムと今季最後の直接対決を迎える。中11日で登板する斉藤和が札幌ドームのマウンドを踏むのは、サヨナラ負けにグラウンドで涙した昨年のプレーオフ第2ステージ第2戦以来だ。「意識? 全然ない。(マウンドの)土の質が違うぐらいや」。感情的な要素には無関心だが「とにかく(シーズンが)終わった時に上に立っていること。それしか考えていない」と逆転Vを疑っていない。

 前日はグッドウィルドームで30球のブルペン投球。見守った杉本投手コーチは「指のかかり具合が良く、いいスピンだった」と期待する。今季日本ハム戦は2試合に登板し0勝1敗で、昨年のプレーオフを含め3連敗中。だが8月5日に昨年から続いた楽天ビジター8連敗を止めるなど、重要な局面でことごとく勝ってきた大黒柱へ首脳陣、チームメートが寄せる信頼は厚い。この日は試合前練習を終え、2戦目の先発新垣とチームより一足先に札幌入りした。

 日本ハムのマジックが一つ減って「7」となった一方で、眼下の3位ロッテは大勝、再び1ゲーム差に迫ってきた。王監督の訴えは切実だ。「(優勝が)決まるまでチャンスはある。悪いことはそう続かない。明日(23日)、明後日と全力で頑張って、福岡に戻っての5試合にかけるしかない」。望みをつなぐための戦い。言葉だけでない一戦必勝の修羅場で、まずはエースが持てる力を振り絞る。
「あの日」以来の札幌のマウンド・・・
雄たけびをあげる和巳の姿か、肩を落とした和巳の姿か
どっちの和巳の姿を見ることになるのか・・・
それが今年の終戦を告げるものになるのか、明日の新垣に繋ぐものになるのか・・・

数々の修羅場を潜り抜けてきた和巳だからこそ、ファンも首脳陣の期待します
それに打線も応えて欲しい
あの和巳の姿を思い出し、今一度気持ちを引き締めて最後の10試合に望んで欲しいです