高校球界では史上初の現役女子高生監督が誕生する。8日開幕の秋季千葉県予選で、今夏の千葉大会ベスト8の県立鎌ケ谷が斎藤友夏莉投手(2年)を監督としてベンチ入りさせることが7日、明らかになった。実際の采配は今大会部長登録となる武部外司広監督(46)が振るが、斎藤はノッカーとして公式戦のグラウンドに立ち、ベンチ内では下級生にアドバイスを送ることになる。 

 あきらめていた夢が半分、実現した。女子部員にとって遠い存在だった公式戦のグラウンド。斎藤は監督として足を踏み入れることになった。

 「自分は3年間、公式戦に出られないことを分かった上で野球部に入ることを決めたので、ベンチに入れるだけでうれしいです」

 根っからの野球少女だ。5歳で初めてボールを握って以来、野球一筋に打ち込んできた。本職は投手。MAXは110キロ程度だが直球、カーブに2種類のスライダーを投げ分ける。「制球には自信あります。見逃し三振を取るのが一番楽しい」

 今夏の千葉大会で拓大紅陵を下すなど8強まで進出した同校の中で、ダブルヘッダーの練習試合では主に2戦目の先発を務める。女子選手の起用は事前に相手校監督に知らせるため、当初は難色を示すが、試合後は「本当に女の子だったの!」と驚かれるほどの実力の持ち主だ。

 斎藤をユニホーム姿でグラウンドに立たせるため監督で登録することを決断したのが、今大会は部長登録となる武部監督だ。「彼女はレギュラークラスの力がある。だからベンチに入れたかった」。8日の千葉日大一戦ではノッカー役を託す。「外野にはゴロでもいい。緊張せずにやってくれれば」。実際にサインを出すことはないが、下級生に指示を送ったり、次のプレーへの心構えを伝授する場面はありそうだ。経験と実績さえ積めば在学中に指揮を執る可能性もある。

 思いがけず巡ってきた夢の舞台。「男子よりうまいのに出られない女の子はいっぱいいる。男子を見てうらやましいなと思ったこともあります」。だからノックの7分間に野球人生のすべてをぶつけるつもりだ。

 「際どいところに打って試合のためになるような球を打ちたい」。センバツを懸けた球児の戦いがスタートするが、女子高生のもう1つのドラマも幕を開ける。
 ◆斎藤 友夏莉(さいとう・ゆかり)1990年(平2)12月18日、千葉県生まれの16歳。5歳で船橋市のグリーンファイターで野球を始める。飯山満小から投手を始め、二宮中1年時には女子野球の日本代表選考合宿に参加。3年時には試合で4番を打ったこともある。鎌ケ谷入学後に再び投手に復帰。家族は両親と兄。1メートル57、58キロ。右投げ右打ち。 
ウルトラCとでもいえそうな考えですが
実力があるからこそのベンチ入りだと思います
少しずつ緩和されているもののまだまだ道は険しいですが
この行動が一石を投じるようになれば、いいのですが・・・