先発も主砲もヨレヨレで、勝てるはずもない。4連勝中だった和田毅投手(26)は、取ったら取られる最悪パターンの末に、最も警戒していたカブレラから2発目をくらって7敗目。松中信彦内野手(33)は5回1死二塁、7回1死一、二塁の好機に三振を喫し、おまけに9回2死二塁にも見逃して、なんとプロ初の1試合4三振だ。日本ハムもロッテも敗れて首位はキープしたけれど…。 不快な汗が止めどなく噴き出してくる。109段の階段を上る王監督の足取りは重い。その途中、避けて通れない松中のブレーキに触れた。「ボールが見えてないし、とらえられていない」。初回の中犠飛も吹っ飛ぶ、プロ入り初の1試合4三振。すっかり沈黙した主砲のバットを、ベンチから悲しげに見つめるしかなかった。 昨季までの4年間でタイトル7個。球界を代表する豪打が、シーズン残り3分の1になっても鳴りを潜めたままだ。第2打席で岸のチェンジアップにバットが空を切ると、残り3打席はすべて見逃し三振。「4三振? 初めてだと思う。見逃しが多かった? うーん…」。うめくような松中の声が薄暗い廊下に響いた。 首位打者を獲得した昨季は37三振を喫したが、規定打席に到達した両リーグの打者で最少だった。この日の4三振で今季は48三振。ここ3試合で8三振では王監督も首をひねりたくなる。「あれだけ実績のあるバッターなんだから、打席にもっと堂々と立てばいい。それ(不調)を隠していかないと、相手も自信を持ってしまう。堂々と振る舞う演技も必要なんだ」。これまで相手を恐怖に陥れてきた松中の惨状に王監督も苦言を呈した。 後半戦からは動体視力を鍛えるビジョントレーニングも取り入れているが、これだけ三振の数が増えると、一発はもちろん、打率も上昇カーブを描けない。対照的にカブレラが2ラン、タイムリー、ソロの4打点。4番の差が歴然と表れた。 左手首痛をおしながら出場を続ける小久保も2三振。「1、2番が頑張っているのに、中軸が湿っとるわい」。王監督もポイントゲッターの機能不全を嘆いた。 勝率5割ラインを行き来する西武について、王監督は「選手が足りない感じ」と印象を口にしていた。昨季までの天敵だった松坂が去り、今季は試合前の時点で8勝4敗と勝ち越していた。本調子ではない4位の西武に、この日勝てばゲーム差は「6・5」に拡大。クライマックス・シリーズ出場圏の3位から遠ざけることができた。 日本ハムも敗れたため、単独首位の座は守ったが、ホッとできるような状況ではない。「自分が4番を打っているんだから、負けたのは自分の責任。申し訳ない」。唇をかみしめながら、松中は帰りのバスに乗り込んだ。シーズン前、そして後半戦の開幕時にも王監督から「キーマン」に指名された主砲の復調なしに、王座奪回の展望は開けない。松中の言葉からわかるように、自分が打たないから負けたと思うことが
すでに自らにプレッシャーを与えているのではないでしょうか!?
4番ではないバッターが4番に座れば「4番目のバッターとして」と言いますが
松中もそれぐらいの気持ちで打席に立てれば・・・
去年はズレータと2人で頑張っていたので、背負うものも多かったと思いますが
今年は小久保・柴原・ブキャナンと波はあるものの頼れないバッターではないので
自分で決める!というのではなく、後ろに任せる・繋ぐ気持ちで打席に立てれば
結果も違ってくると思います