鬼門はチームリーダーのバットで突破する。小久保裕紀内野手(35)が2日、今季6勝8敗と苦戦している楽天戦の「借金完済」を誓った。パの対戦カード別で唯一負け越しているうえ、フルキャストスタジアム宮城では昨年から5連敗中。おまけにルーキー田中にも5戦4敗と散々で、きょう3日からはその敵地で3連戦、田中が初戦に先発する。後半戦7試合で打率・423の小久保は「借金をチャラにしたい」と、満を持してワシ狩りに出陣する。

 北上する台風よりも早く? 主砲の心は仙台へと飛んでいた。中止が決まって1時間半後。「ドームで2度目なんて、予想外やで」。着替えをすませ、ロッカールームから出てきた小久保はまず驚いてみせたが、すぐに視線を先に向けた。

 「マー君? 4回もやられてるし、そろそろやっつけんとね。まずは借金をチャラにできるように。借金は2? 3連戦で2勝1敗でも追いつかんけど…とにかく取りこぼしのないようにしないといけない」

 中止になったオリックス戦より、ビジターの楽天戦。小久保が素早く切り替えたのも、今季の苦戦が頭にあるからだ。ここまで6勝8敗はパ5球団の対戦カード別で唯一の負け越し。おまけにビジター5戦全敗、フルスタ宮城は昨年から5連敗の「鬼門」球場だ。さらにルーキー田中にも5試合で4敗。新人にシーズン4敗は王ホークス史上初の屈辱…と、とにかく頭の痛くなる数字が並ぶ。

 もっとも、今の小久保にはこれらを上回る好材料がある。後半戦に入ってから7試合で26打数11安打、3本塁打、打率・423。「ウチは楽天に相性がよくない」と気を引き締めたものの、上向きの打線を引っ張る主砲のバットは、楽天にとって大きな脅威だ。

 後半戦に入って痛めた左手首のこともあり、この日は全く打撃練習を行わなかった。「けんしょう炎やろうな」。かかりつけのハリ治療院に4日連続で通い、この日も出場への準備を進めていた。そこへ降ってわいた予想外の中止。チーム関係者から「小久保にとってはよかった」と歓迎する声も上がった。

 「1日、2日休んで治るようなものではないけどね。まあ、痛くない打ち方で打ちますよ」。借金返済に、打点王を争うライバル山崎武との「直接対決」もある。首位固めには不可欠な真夏のワシ狩り。杜(もり)の都をタカの主砲が熱くする。
これまでのチーム状態と現在のチーム状態では
特に打線が違うので、今までみたいに抑えこまれる事は無いと思います
後は、いかに効率良く点を取るか・・・
楽天のお得意様になっていては首位奪回なんて言ってられません!