あと1本が出ない…。またまたはまった拙攻地獄。看板のはずの重量打線は横浜・吉見を攻略できず5月19日の日本ハム戦(ヤフードーム)以来の完封負け。7試合連続で本塁打はなく、1995年以来12年ぶりに王ホークスのワーストタイに並んだ。イライラが募る3連敗で、交流戦は9勝12敗。昨年まで2年連続で白星を稼いできた“貯金リーグ”でついに勝ち越しが消えた。

 何も変わっていなかった。悔しさをかみしめた2日前の夜は一体何だったのか。また、負けた。1点も取れずに完敗した。「0点じゃあ、勝てんわな」。その通りだ。もはや、怒りや憤りといった類の感情はそこにはない。「チャンスはつくるんだが、取れない。それがプレッシャーになっているのかな」。まるで不思議な物体でも見たかのように、王監督は何度も首をかしげた。

 よどんだ空気。そして、ため息とすっかり“仲良し”になっている。初回1死二塁の逸機から始まった拙攻地獄。得点圏に走者を送り込んだのは、5度にのぼった。象徴的だったのが3回。新垣の二塁打を足場に、1死満塁のチャンスが到来した。打席に入ったのが、松中に代わって4番を張る小久保だった。

 「この前の満塁のこと(無死満塁の好機で3者連続三振に倒れた17日の巨人戦)があったので『よーし』と思っていた。でも、真っすぐを狙って、真っすぐを打てんかった。あの3回がすべて。お話になりませんわ」

 結果は最悪の遊ゴロ併殺打。小久保はシャットアウトを食らった責任を一人で背負い込んだ。「吉見? 特に前と変わったところはない。打てんかったのは自分の問題」。高校の後輩で、自主トレでも一緒に汗を流した。だからといって、そんな感情に左右される小久保ではない。「王監督からミーティングで『真っすぐに詰まっている』と言われたばかりだったのに…」。狙った直球を仕留めきれず、緩い変化球にほんろうされた。もろい自分が腹立たしかった。

 先発復帰を志願していた松中のスタメン起用を見送り、頼みの小久保と多村が無安打。これで、チームの連続ノーアーチは7試合に伸びた。12年ぶりに王ホークスのワースト記録に並んだ。「普通のバッティングになってない。7試合ノーアーチ? そんなに出てないのか? 持ち味が出せんな」。最悪の状態に映っているのだろう。王監督の目はうつろだった。

 大型補強と若手の底上げで打線の建て直しに着手。今季は強打で相手を圧倒する「ストロング攻撃」が完成したかに見えた。しかし、現実は厳しい。「われわれはとどまってはいられない。あしたも試合はある」。いつもの言葉を残し、王監督はバスのステップを上がった。貯金5をノルマに課した交流戦も3試合を残して9勝12敗。導入3年目で初めて勝ち越せなかった。華やかさも、しつこさも、いやらしさもない今の打線では王座奪回のけん引役など夢のまた夢だ。
いつもと同じ試合展開
若手を起用しても肝心のクリーンアップが打たなければ意味が無い・・・
HRが出てないとか、そういうのは正直どうでもいいです
ヒットが、タイムリーが、出ないのに・・・HRが出るわけ無いと思います
松中・小久保は特に責任を背負い込むので、逆にそれで打てなくなってるのでは!?
チームの中での雰囲気がクリーンアップ頼みでは余計に負担もかかるので
良い意味で「俺が決めてやる」という気持ちで試合に挑んで欲しいものです