3連勝右腕を「谷間の男」とは呼べない。ベテラン水田が敵地札幌でまた男を上げた。「何とか試合はつくれました。最低限の仕事はできたと思います」。5回2/3を6安打2失点。02年と04年にマークした自己最多の3勝に早くも並んだ。

 先制点を許しても崩れなかった。「水田がいい投球をしてくれた。先に点は許したけど、安定していたね」。王監督も試合後の第一声でお褒めの言葉だ。3日の楽天戦では初回に3四死球の大乱調。この冷や汗を中5日の今回に生かした。

 初回は2死から稲葉に左前打を浴びたが、セギノールを見逃し三振。2回1死二塁で坪井に先制打を許すが、後続を空振り三振、右飛。「どこを狙えばいいか分からなくなった」と振り返る前回の“パニック状態”とは一変した姿だった。

 「手探り」だった調整法の答えを見つけた。前回は一般的な先発と同様に登板2日前にブルペン入りしたが、今回は登板前日に68球。「自分は肩に多少の張りがあった方がいいタイプ。前回は肩が軽すぎた」。4月22日の同カードは異例の中2日先発で今季初勝利。その感覚も思い出した。

 ベテランらしい勝負度胸も頼もしかった。一打同点の4回2死一、二塁では、田中幸の懐を攻めて二飛。「直球なんですけど、右打者の内角は握りをずらして少しシュートをかける。それがここ1番で決まった」。2軍でも工夫を重ねた切り札でピンチを脱した。

 もちろん、反省は忘れない。3連勝はすべて6回途中で降板。「中継ぎに迷惑をかけているし、考えないと…」。中継ぎの苦労を知るだけに、言葉に実感がこもる。杉本投手コーチも「1点だけ欲を言えば、もう1つアウトを取って前進してほしい」と宿題を出した。

 自己新の4勝目を狙う次回は、16日のオリックス戦が有力。「次回も前日にブルペンに入ると思います」。自分流の調整法も発見し、交流戦でも先発の座を狙う。「それには7回は投げないといけませんね」。自らハードルを上げ、先発ローテへの完全定着に挑む。
4本柱以外には高い期待はあまりかけてないので
昨日のように6回ぐらいまでで2失点ならば十分です
本人はそれでは満足しないと思いますが、その気持ちが次につながると思います
先発候補だった大隣、エース和己の離脱で回ってきたチャンスをしっかりつかみ
後半戦もローテーを守ってくれるぐらいの活躍をしてくれれば
4勝というキャリアハイどころか、ホークス打線の援護があれば2ケタも十分狙えると思います