日本プロ野球組織(NPB)の根来泰周コミッショナー代行は28日、東京都内で緊急記者会見を行い、ドラフト制度の希望入団枠を今秋のドラフト会議から廃止すると発表した。21日の12球団代表者会議では、大学・社会人の一部有力選手を自由に獲得できる希望枠廃止は来年からと決めた。しかし、アマ球界など各界の反発を受けて、即時廃止に繰り上げた。 根来代行は会見で〈1〉今秋のドラフトから希望枠を廃止〈2〉今秋のみの特例として大学生・社会人の1巡目が重複指名の場合は抽選〈3〉高校生は従来通りで1巡目指名重複は抽選―などの案を示し、12球団に受け入れられたという。 正式には4月2日のプロ野球実行委員会で決まる。希望枠の廃止で、1993年の逆指名制度導入から始まった「一部アマ選手の選択の自由」は消滅する。 根来代行は仲裁案の中で〈4〉新人獲得時の違反行為への制裁を通達として出し、今秋から適用〈5〉アマ球界に対し、日本のプロ野球を経由しないで大リーグなど海外に新人選手が流出しない措置を要請する―方針も示した。それぞれのコメント
根来泰周プロ野球コミッショナー代行「セ、パ両リーグの理事長が奔走して努力したが、若干煮詰まらないものがあった。この辺で見切り発車というか、きちっとした方がいいと思い、仲裁案を作成して12球団の内諾を得た。いつまで引きずっていてもプロ野球に対する認識も悪くなる。大局的な判断」 日本ハム・島田利正チーム統轄本部長「希望枠撤廃はほとんどの球団の総意だったので一歩前進したと思う。問題は希望枠を撤廃することではなく、不正をなくすことなので、今後2度とこのような不正が起きない仕組みづくりなど問題は山積み」 ソフトバンク・角田雅司球団代表「パ・リーグは撤廃するつもりだった。まずは世論のことを考えて、今取るべき行動は希望枠撤廃だ。FA短縮の話も出てくるだろうが、そこは議論しなければならない。地域密着で生え抜きを育てているうちとしてはつらい」 ロッテ・瀬戸山隆三球団社長「本年より希望枠撤廃を決定していただいたことは大歓迎。来年からのドラフト制度についてはコミッショナー代行のご指導のもと、12球団、アマチュア球界と連携を取り、できるだけ早い時期に作り上げる努力をしたい」 オリックス・機谷俊夫球団代表「12球団まとまって今季から希望枠を撤廃するのならオリックスとしては受け入れますという話をした。FA短縮は今後の議論で良いと思う。理想は完全ウエーバー制度。プロが注目されるという意味では、1巡目は抽選でも良いかなと思う」 楽天・米田純球団代表「細かいことは実行委員会で話し合うが、希望枠がなくなることは了承する。うちは終始一貫してドラフト一括開催、完全ウエーバー制を主張しているが、コミッショナー(代行)案は受け入れる。まずは一歩前進というところ」 西武・太田秀和オーナー代行「仲裁案が出たことを真摯(しんし)に受け止めています。各球団の総意に従わせていただきます」 滝鼻卓雄・巨人オーナー「コミッショナー代行の考え方を早く出してもらいたいと願っていた。仲裁案を出してくれて12球団が合意したということだから、一つの区切りじゃないか。セの開幕前に一段落し、ファンのみなさんに明るい雰囲気で観戦してもらえる」 中日・伊藤一正球団代表「何の異論もない。付け入られるすきのある制度はこういう事態になった以上やめるべきだ。大多数の球団の意向が通ったということでしょう」 阪神・宮崎恒彰オーナー「とりあえず一番要請されている希望枠撤廃を決め、それから後のルールを決めていけばいい。コミッショナーもリーダーシップを発揮して、話をまとめようとしている。球界のためにも好ましい」 広島・松田元オーナー「球界の混乱を収めるためには撤廃もやむをえない。ただし完全ウエーバーは反対。フリーエージェント(FA)の期間短縮も反対。FA権自体が諸悪の根元だと思ってる。FAの短縮を取るか希望枠を取るかだったら、うちは希望枠を取る」とりあえず、希望枠は無くなりました
ただ、今後のドラフト制度を作る方が難関ですね
今回の代行の案がそのまま通るのか、手が加えられるのかはわかりませんが
FA権・ポスティング、そして完全ウェーバーとなるのか・・・
各球団の思惑・経営状況・チーム戦略などの違いから
一本化するのには時間がかかりそうだと思います
1回決めたからって変えないのではなく、常に試行錯誤し
日本にあったドラフト制度を作って欲しいと思います