手痛い“プロの洗礼”だった。陽気な笑顔が持ち味のルーキー高谷の表情が凍り付いた。「きょうは自分が思っているイメージと違っていました…」。ミスを突かれ、強肩を生かせず、失点を重ねて、正捕手取りへのアピールに失敗した。 つまずきは6回に訪れた。無死二塁で石井の投前バントを判断良く処理し、三塁へ送球。だが、右にそれて無死一、三塁とピンチを広げた(記録は野選)。ここから一気に3点を奪われた。 自慢の強肩も不発。初回に仁志、6回に吉村、7回に下窪と、次々と二盗を許した。白鴎大時代には強肩を警戒した相手に盗塁の企図すら許さなかった男が、屈辱を味わわされた。 試合後はビデオルームに直行し、送球フォームを確認。「球が握りきれていないし、下半身に体重も乗っていない。足の運び方も、自分が思っている投げ方と違う」。次々と反省点を並べ、唇をかみしめた。 オープン戦では王監督の意向で山崎、的場よりも優先的に起用され、6試合に出場。だが、盗塁を6度敢行され、阻んだのは1度だけだ。阻止率・167では即戦力の期待に応えられていない。 最大の救いは、王監督の言葉だった。「いい勉強になっただろう。オープン戦は自分の判断材料を見つけ、本番に使うべき物差しをつくればいい。結果を考えすぎると、テストすべきことができなくなる」 新垣をリードした前半に5回3安打無失点の好投を演出したことも、しっかり評価に入っていた。試合前に入念な打ち合わせを行った新垣は「高谷のリードに感謝している」と口にした。 チームはオープン戦の半分を消化し、残り9試合。正捕手をめぐるイス取りゲームは熱を帯びるばかりだ。「これからはチャンスが減っていく時期。少ないチャンスをモノにしないといけない。ダメなら練習して、次に臨む。その繰り返しです」。目標の開幕スタメンを手に入れるため、気持ちを奮い立たせてルーキーは戦う。ドラフト・キャンプと評価の高かった高谷ですが、最近は精彩を欠いてます
投手陣のクイックや牽制に問題があれば走られますし
盗塁自体は捕手がすべての責任を負うわけではないと思ってます
ただ、本人が納得いってない状態なのが残念です
精一杯やって、1軍レベルに達してないのか分からなければ、テストの意味がないですからね
アピールする事も大事ですが、まずは自分の出来る事をしっかりやってほしいです