ノリの刺客コンビが1発デビューだ。日本ハムが8日、12球団一番乗りで紅白戦(白組9-7紅組)を行い、新外国人のアンディ・グリーン内野手(29=ダイヤモンドバックス)が来日初打席で左越え本塁打を放った。大学・社会人ドラフト6巡目の金子洋平外野手(25=ホンダ)も左翼場外への特大弾で、ともに3安打2打点と大爆発。それぞれ期待の三塁のレギュラー候補と和製大砲候補。獲得の検討余地を残しているオリックスを退団した中村紀洋内野手(33)は不要-とばかりの豪打競演だった。
 フロント陣の頭の片隅から「ノリ」の2文字は、完全に消えてもおかしくないだろう。まずは176センチと小柄でベビーフェースのグリーンだ。初回2死一塁。白組先発・菊地の真ん中直球をコンパクトなスイングでとらえた打球が左翼芝生席で弾む。来日初打席初アーチ。「今日はたまたまいい日だったよ」。打順3番三塁を期待されるポスト小笠原候補の涼しそうな顔と言葉が、自信の表れだった。
 今後の補強の動向を占うかもしれない、実戦初日。小笠原、引退した新庄氏の穴を埋める野手の見極めが、大きなウエートを占めていた。生え抜きの若手か、新戦力か。その2つの選択肢にメドが立たなければ、最終手段として「ノリ獲得」の余地を残していた。フリー打撃では非力さが不安視されていた新助っ人が3安打2打点。ヒルマン監督が「ほかに何も言いようがない」と、言葉を失うほどの完ぺきデビューだった。
 さらにうれしいサプライズがドラフト6巡目、下位指名の金子洋だ。初回に右前適時打を放つと、圧巻は3回。1軍クラスの白組2番手・江尻の直球を左翼場外へ運ぶ、推定飛距離140メートル弾で度肝を抜いた。中村と同タイプの右の強打者。よく似たオープンスタンスで、タイミングの取り方を「社会人1年目の時に中村ノリさんを参考にしてました」。ノリの“間接的”な弟子がグリーンと同じ3安打2打点、アマ全日本4番の肩書通り、即戦力ぶりをアピールした。
 2人合わせて「三塁手+和製大砲」。実戦テスト初戦で、中村補強へと動く場合に必要とする要素を満たしてしまった。「ワサビが苦手だよ」という、サビ抜きのすしが好物のグリーンは「まだ100%ではない」と自信満々だ。自身で人気男性誌LEONのキャッチコピー“ちょいムチ(ムッチリ)”を自負し「キャンプでもやせません」とノリと体形も同じ、あんこ型スラッガーの金子洋。「てんぐにならないよう気を付けます」とさらなる飛躍を誓った。
 現時点で中村獲得の可能性を国内球団で唯一、残している日本ハム。強烈な個性を輝かせた新戦力コンビが、球団の揺れる思いを一気に固めてしまうかもしれない。
小笠原・新庄の穴がどうなるのか?
気になってましたが、新外国人とルーキーが穴を埋めそうな勢いです
4番はセギノール、5番は稲葉でしょうが、3番はグリーンとなるんでしょうか!?
今年は戦力ダウン必至と思いましたが、今年も脅威となりそうですね