ソフトバンク王貞治監督(66)が5日、オープン戦全18試合に帯同する考えを明らかにした。昨年7月に胃がん手術を受け、今キャンプで完全復帰を果たした王監督は、順調に第1クールを消化したチーム同様、自らの体力回復にも手応え十分だった。「事前に自分で思っていたより、はるかにできている。まだもっともっとね。オープン戦は移動が多い。元気なときもしんどかった。これはしゃーない」。これまでオープン戦の動向については明言していなかったが、遠征続きとなる3月11日の広島戦(尾道)以降も、チームに帯同する意向を示した。
 今季のオープン戦は24日にキャンプ地の宮崎(対西武)で開幕し、27日以降は本拠地福岡ヤフードームで10試合を消化。11日からは尾道(広島戦)刈谷(中日戦)静岡(楽天戦)横浜(横浜戦)神宮(ヤクルト戦)千葉(ロッテ戦)グッドウィルドーム(西武戦)と転戦する、9泊10日、総移動距離、実に約2400キロにも及ぶロードが待ち構えている。それでも王監督は「ユニホームを着る前は不安を感じながらだったけど、思ったより長く立っている時間もできたりしている」と、第1クールで回復への自信をさらに深めた様子だ。
 今キャンプ初の休日のこの日は、故恭子夫人の出身地である宮崎市青島へ恒例の墓参りに出掛け、選手宿舎への帰路の途中、釜揚げうどん店に立ち寄った。「重乃井」は巨人現役時代からなじみの店。「秋には1口、2口でダメだったけど、今日は秋より食べられたよ。並だったけどね」。以前のような「大」ではなかったが、1年ぶりの懐かしの味に舌鼓を打った。1月26日に報道陣と中華料理店で会食した際には「以前と比べてだいぶ食べられる量も範囲も増えた。ラーメンはまだちょっとね。最終的にそこまで行ければ」と大好物のラーメンを回復のバロメーターの1つとしていたが、同じめん類を完食するまでに至った。
 6日からはキャンプ第2クールに突入。「明日はブルペンに行きますよ。体に関しては無理をする必要はない。焦らず、じっくりやりますよ」。徐々に、しかし着実に、王監督が宣言したシーズン完走へ、準備を整えている。
思ったよりも体調が良いから帯同を決めたみたいですね
インタビューを受ける王監督は頬もふっくらしてきて回復をうかがわせてくれます
今の段階で帯同を決めてもいいですが、遠征前の状態を見て、無理せず帯同してくれれば、と思います