福岡から本気の怪物詣で! 大阪桐蔭高の「4番・エース」中田翔投手(17)が4日、大阪府大東市の同校グラウンドで始動。日米10球団のスカウトが集結した中、福岡ソフトバンクは地元阪神の4人に次ぐ2人を派遣し、徹底マーク態勢を敷いた。今秋のドラフトの超目玉となる「10年に1人」(永山勝チーフスカウト)の怪物に、王ホークスが空前の熱視線を送る。

 大阪府と奈良県の県境、標高642メートルの生駒山の頂上。気温6度、寒風吹きすさぶ大阪桐蔭高グラウンドに14人のスカウトが集結した。西武、オリックス、広島を除く国内9球団に加え、米大リーグ・ツインズも。

 中でも一際、目立ったのは「2人の刺客」だ。早くから1巡目指名を公言し、最多の4人を送り込んだ阪神に次ぎ、ホークスは近畿担当の永山チーフ、若井基安両スカウトを派遣。1巡目指名方針を固めている日本ハムでさえ1人という状況の中、熱意は明らかだ。

 ドラフト候補の始動日恒例の“スカウト詣で”。希望枠での合意を目指すため大学生や社会人選手を訪ねることはあっても、高校生に対しては異例だ。1993年からスカウトを務める永山チーフも「高校生の始動日に来るのは初めて」と笑う。全国屈指の強豪で1年夏からベンチ入りし、同秋から主力となった中田。「もちろん1年のころからマークしてきたけど、中学時代から見ていた」と、広島鯉城シニアで最速141キロを記録した時代から調査を続けてきたことを明かした。

 魅力は既に高校通算68本塁打の破壊的打力。投手としても最速151キロを誇る。「うちの投手事情もあるし、野手と考えている。10年に1人、清原(和博)級の素材」と永山チーフ。若井スカウトも「怪物。今まで見てきた中に同等の選手はいない」。王監督の「長打を打てる選手はここ数年、取れていない」というニーズにも合致する。

 「評価はトップ。ほかに(1巡目候補)はいない」と永山チーフは断言するが、ホークスのドラフト戦略は流動的。今年のドラフト制度が未定の上、10球団のスカウトが集まった以上「現状では大量競合は避けられない」と永山チーフはみる。

 過去2年の制度が継続されれば、ドラフト1週間前の最下位球団から始まる“外れ1巡目”のウエーバー順はホークスにとって不利になることが予想される。陽仲寿内野手(福岡第一−日本ハム)、大嶺祐太投手(八重山商工−ロッテ)と2年連続で抽選を外し、会議の中で戦略の見直しを迫られた経緯があるだけに慎重にもなる。

 とはいえ、戦わずして逃す手はない。「状況を見ながら、マークを続けていきます」と永山チーフ。福岡大・白仁田寛和投手ら郷土の逸材をピックアップするホークスのドラフト戦略のキーマンとなるのは間違いない。
ドラフト制度はどうなるかわかりませんが、9球団だろうが入札しない事には
獲得出来ないので、獲りに行ってほしいですね!
中田以上の野手はいないと思うのでぜひ、ホークスに欲しい!!