スキー指導用語5「バックボーゲン」「トライスキー」 | スキーと登山 髙波太一ブログ

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山とスキーのいろいろ

レッスン中によく使う技術や用語を
進めて行きます

「バックボーゲン」とは
バック・プルークボーゲンの略です

後ろ向き(顔が山側、背中が谷側)に立ち、
トップを大きく開いたシェーレンにします
(スキージャンプのV字と同じ)
そのままインエッジで制動を掛けながら
バックで滑り降ります

別名 後ろハの字

初心者レッスンはスケーティング、
カニ歩きとやって直滑降から始まります
※レッスンの実際詳しい所は後述

その後制動技術としてプルークファーレンに
進みますが、これにはカカト荷重と
テールの押し開き、脚の内旋といった
要素がクリアされる必要があります

一辺に3つの運動を習得せねばならず、
春で雪が重かったりすると
なかなか容易には行かない時があります
(テールを脚力で開けないなど)

平地で繰り返し基礎的に脚を動かせば
やがて脚力と感覚が身に付き、
出来るようになりますが
レッスン時間は限られていますので
数を滑らせないと上達に繋がりません

ですので ある程度の段階で
リフト乗車法に移行し、ハの字が
できた子はどんどん滑らせ、
もう少しの子は先生が補助して滑らせます

この時、どうしても内旋の感覚が掴めず
トップが開いて開脚のパラレルになってしまう
子がいたら先生はバックボーゲンの
形になり、その子の板の先端を摘んであげます

すると強制的にプルークの形になるので
どうにか制動を掛けて緩斜面を
降りられるようになります

あとは回数を滑れば本人の中でも
内旋やらテールでのズレの感覚を
身につけてこれますので
もう初心者は卒業です

バックボーゲンはインストラクターに
必須の技術とも言えるでしょう


「トライスキー」とは
コンケスト社から出ているスキー補助具で、
2枚の板の先端と先端を合着させる
機能があります

また、その類似品も合わせてこう呼びます
(ボーゲンヘルパー、スキーバンジー、
チップストラップなど)

別名 先っちょくっ付ける奴 
無理矢理プルークにさせる奴
トップを合体させる奴
子供が付けてる奴

スキー用品店やスキー場の売店で
3000円ほどで購入できます

上記のテクニックを製品にしたもので
同じ効果が得られます

本来なら道具に頼らず
プルークを完成させてから滑らせたい所ですが
もう少しという子が2人以上いる場合など
これを利用します


初心者、初級者レッスン担当ならば
ポケットに幾つか忍ばせておきましょう
ヒモで繋げるタイプが嵩張らなくて良いです


次回は6「トレーン」「ゴースト」です

スキー指導員 高波太一