AKB48握手会について | かずっちのたかみな神推しブログ♥

かずっちのたかみな神推しブログ♥

ブログの説明を入力します。

先月、岩手県で起きた「AKB48握手会」でのメンバーなど3人が切りつけられた事件の
影響で6月の握手会が延期になってしまい、とても残念な気持ちと悔しさでいっはいです。

事件をうけてAKBの「握手会」そのものに対する議論も巻き起こっているようですが、
今日、YAHOO!ニュースを見ていて、まさに多くのAKBファンの気持ちを代弁してくれているのでは
ないかと感じた記事がありましたので、紹介させていただきます。

なぜ「AKB48」には握手会が必要なのか

プレジデント 6月10日(火)8時45分配信

■「ファンはオタク」は現場を知らない偏見

 去る5月25日、アイドルグループ「AKB48」の握手会で痛ましい傷害事件が起きた。参加していた2人のメンバーが、刃物を持った犯人によって突然切りつけられたのである。この事件をめぐっては、マスメディア/ソーシャルメディアを問わず、大きな議論が巻き起こった。その中には、「『AKB商法(握手などの特典券つきでCDを大量に売りさばく手法)』の限界が来た」「アイドルの女の子を危険に晒すことになる握手会は廃止すべきだ」といった批判も少なくなかった。

 こうした指摘は的外れだと言わざるをえない。報道によれば、容疑者の男は詳しい動機について明らかにしておらず、「切りつけたメンバーの名前は知らない」と供述しているという。おそらくAKB48の熱心なファンではなく、これまで何度も繰り返されてきた芸能人や著名人を狙った事件の一つに過ぎない。必要なことはセキュリティ対策の向上に尽きる。

 AKB48の運営会社は休演していた劇場公演を再開するにあたり、金属探知機を導入するなど警備体制を強化した。いまは見送られている「握手会」についても、十分なセキュリティ対策を施した上で、再開されるだろうし、そうすべきだ。ある運営幹部は「テロには屈しない」と話したとも報じられている。批判的な人からすれば「そこまでしてAKB商法にしがみつくのか」と映るのだろう。だから批判にも晒されやすい。しかし、そうした見方は一面的すぎる。

 本稿で明らかにしたいのは、「なぜそこまでしてAKBグループは握手会にこだわるのか」である。筆者は一人のファンとして、これまで幾度も握手会に参加してきた。自分がこの目で見てきたものを通じて、握手会の魅力と本質について説明したい。

 おそらくPRESIDENT誌読者の大半(想像するに99%近く)は握手会に行かれたことがないだろう。そして握手会について、次のようなイメージを抱いているのではないだろうか。

 でっぷり太った気持ちの悪いオタクのおっさんが、か弱いアイドルの女の子と握手してブヒブヒ言っている――。

 実は筆者もかつてはこうしたステレオタイプのイメージをもっていた。「握手会は気持ちが悪い」という偏見があったため、AKB48にハマってもなお、半年近くは握手会に行こうとはしなかった。むしろ、「握手なんてしなくてもAKB48は好きだから」と潔癖的な感覚を抱いていた。

しかし、実態は違うのである。初めて参加した握手会は、それはもう衝撃の連続だった。まず、参加者が多様である。もちろん男性が多いが、世代も見た目も様々で、わりと「普通」な人が多い。女性も多い。小さな子供も多く、大抵は女の子だ。アイドルに憧れているのだろう。

 ちなみにAKB48の「全国握手会」では、最初に「障がい者」の方が優先的にメンバーの握手レーンに並び、かなりの列がつくられる。その後、女性・子供の優先列が続く。一般のファンが握手できるのはその後、1時間近くは経ってからである。参加すると、こうしたファン層の多様性に驚かされる。

 いざ始まると、大勢のファンが一様に楽しそうな笑顔を見せていることに圧倒される。わずか数秒程度アイドルと握手するだけで、こんなに大勢の人々が、ここまで幸福感に包まれた笑顔に変わるとはどういうことなのか。握手が終わった人たちは、夢中になって、「さっき××ちゃんとこんなこと話してきたんだよ! 」などと周りの人と感想を語り合っている。これはどうしたことなのか。

 そしていよいよ自分が握手に行く番である。いつもはテレビやネット越しに応援しているメンバーに「会いに行く」ことができる。目の前に、自分の「推しメン(応援しているメンバー)」が実在している。その衝撃は計り知れないものがある。さらに、「いつも応援しています」と直接声をかけることができる。メンバーからは「応援してくれてありがとうございます! 」という声が返ってくる。その手は握力で満たされている。メンバーの目はあまりにもキラキラと輝いている。わずか数秒とはいえ、そこにおけるコミュニケーションの「手応え」はあまりにも強烈なのだ。

 握手会の本質は、「アイドルの女の子の手を握っただけで喜んでいる」といったところなぞにはない。もちろんそうしたファンもいるだろう。しかし本質的なのは、全力で夢に向かって頑張っているメンバーに対して、応援の声を直接かけることができること、その「手応え」なのである。それはブログやツイッターといったソーシャルメディア越しで得られるものよりも、はるかに体験として強烈だ。やはり「リアル」に勝るものはないのである。

■会話が「数秒」だからクチコミが活発になる

 筆者は初めて握手会に参加したとき、「握手時間(秒数)」の設定に面白さを感じた。細かい点は説明しないが、AKBグループの握手会には「全国握手会」と「個別握手会」の2タイプがあり、CD1枚あたり前者は「数秒程度(メンバーやレーンによって変わる)」、後者は「7~10秒程度」と決まっている。前者では短い場合は2~3秒くらいなので、会話は「応援しています! 」「ありがとう」といった1往復で終わってしまうが、後者では2~3往復くらいのやりとりが可能である。この秒数設定が絶妙なのだ。

 まず、言葉のやりとりができるので、こちらとしてはあらかじめ「どういうことを言うか」と考える必要がある。筆者の場合、何も準備をせずに順番が来てしまい、何度も「事故(うまくコミュニケーションが続かないこと)」を起こしたことがある。10秒の間に、どういう応援の言葉を伝えれば、メンバーを元気づけ、喜ばせてあげられるか。そのためには知恵を絞る必要がある。握手会はさながら「数秒間のコミュニケーション能力の格闘ゲーム」の様相を呈しているのだ。

 メンバーにとってもそれは同様だ。現在、AKBグループには研究生などを含めて約300人のメンバーがいる。シングルCDを発売するたびに、そのなかから30人前後のメンバーを選抜するのだが、その基準のひとつに「握手会の会場での人気」がある。いわば会場におけるレーンの長短は、「営業成績の棒グラフ」なのである。だからメンバーも、数秒でファンを魅了するため、真剣勝負で握手会に臨む。

 そしてコミュニケーションの真剣勝負が数秒の間に交わされるからこそ、「握手レポ」と呼ばれる握手会の感想レポートは熱を帯びる。握手会が行われた日は、ソーシャルメディア上で無数の「握手レポ」が飛び交う。握手会に参加していなくても、それを検索して読んでいるだけで十分楽しめてしまう。「あのメンバー、こんなこと言ってくれるんだ! 」といった具合である。そのクチコミが広がって人気が出るメンバーもたくさんいる。

 ここで重要なのが「数秒」という制約である。1分も2分も会話ができたとしても、その内容を正確にレポートするのは難しいし、何より文章に起こすのが面倒だ。これはツイッターが成功した要因とよく似ている。ツイッターは140字という字数制限があるからこそ、大量の投稿を集めている。筆者に対して、「AKB商法はキャバクラ営業と同じだ」などと揶揄されることもあるが、筆者から言わせれば、AKB48のほうが100倍以上楽しい。キャバクラはコミュニケーション相手が別に夢を持って輝いているわけではないし、時間もやたらと長くてレポートする気力も起きないからだ。つまり握手会は、ソーシャルメディア時代の「クチコミ投稿」を喚起しやすいフォーマットになっているのである。

 以上、本稿では握手会の本質的魅力を説明してきたが、それでもなかなか伝わらない部分は多いと思う。筆者自身もまさにそうだったが、やはり握手会という「現場」に直接参加してみないとこれは分からない。しかし今回の事件は、握手会に行くこと自体の可能性を塞いでしまった。握手会という素晴らしいコミュニケーションの「現場」が再び開催されることを、筆者は心から祈っている。

 

答える人=濱野智史(社会学者・批評家)

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140610-00012754-president-bus_all&p=1