破滅願望に救われます

破滅願望に救われます

観た映画の感想(ネタバレ)などを書いております。

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これは筋肉への侮辱であり、即ち合衆国への侮辱だ。


まずはこの予告編を観ていただきたい↓

ス・ゴ・イでしょう?もう予告編だけで腹がよじれるほど面白い。
こんな頭の悪そうな面白そうな映画が日本公開未定なんて!

〈あらすじ〉
1994年、マイアミ。フィットネス・クラブで働くダニエル(M.ウォールバーグ)は自己啓発セミナーに参加・触発され、EDに悩むポール(D.ジョンソン)と、クリスチャンな前科者エイドリアン(A.マッキー)という二人の同僚マッチョを引き込み、クラブ会員の資産家から財産を奪う計画を立てるが…

この映画は実話を基にしているのだが、とにかく登場人物がことごとくアホなのである。

3人はフィットネス・クラブの会員ビクターを誘拐・拷問し、彼の資産を3人に譲渡する旨の書類をでっち上げようとするのだが、資産家ビクターは恐ろしく強情な守銭奴でなかなか拷問に屈しない。
しかし3人は拷問が通用しないケースを想定していなかったのだ!

(ヤバいどうしよう…)

何とか資産を奪う事には成功したが、今度はビクターを口封じで殺すか否かでモメるという体たらく。そして口封じ、もとい脳筋トリオによるコントへ


↑爆発を背にキメているが、実は口封じに失敗しているの図


↑ターゲットが生きていたのでトドメを刺すため病院に(なぜか手術衣で)潜入だ!の図

こうして(非合法に)アメリカン・ドリームを手にした3人と、復讐に燃えるビクターとの攻防が始まるのである!


と、このように本作では登場人物がアホという設定(←実話に基づいている)なので、マイケル・ベイの粗の多いストーリー・テリングも題材と一致していて気にならない。
それどころか彼のサービス過多な資質のおかげで、次から次へとアホ珍獣が出てくる、万国ビックリショーとしてたいへん愉快なのです。

個人的にはフリードキンの『KILLER JOE』に通じるものがあると感じました。
KILLER JOE』が「クズの本質論」であったように、『Pain&Gain』は「バカの本質論」であるように思えるのです。
復讐を誓うビクターは探偵を雇うのですが、この探偵こそ『KILLER JOE』におけるドティー=「強欲な者たちの中で、ただ一人の良心的存在」であり、こうしたキャラクター配置においても一致するのではないでしょうか。

今回わたしは輸入盤Blu-Rayで鑑賞したのですが、これほど無茶苦茶で痛快な作品、ぜひ日本でも劇場公開して欲しいです!



“Penis Magic!”