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仕事とマンガと心理学

心理カウンセラーが語るマンガと小説についてのブログです。
心理学でマンガをみるとオモシロいので、それを伝えたくて
ぐだぐだお送りしますので、楽しんでくださいね!

こんにちは、プロフェッショナル心理カウンセラーの織田です。

ちょっとご無沙汰してしまいすみません。

 

このブログですが、マンガだけじゃなくて

小説もタイトルに載せればよかったと

今更ながらに思っていますが

 

さて、今日の作品。

 

 

日本も昔は顔も知らないで嫁ぐなんてことは

ざらだったそうですが

この物語もそうです。

 

定住民のところへ遊牧民の20歳の年増の女性が嫁ぐと

相手は12歳のまだ少年と言っていい年の「男の子」。

 

この二人を中心とした

日常のいろいろなエピソードが

繰り広げられる形になっています・・・実はまだ

途中なので、これから先がわからないのですが。

 

だって、結婚する時が初対面ですから、

ここから「知り合う」わけでしょう。

2巻目だったかな、女性の方が

旦那さんの少年に、はにかんでみたり

照れて目が合わせられなくなっているという

変化を見せることがあって

おばあさんが「嫁づいてきた」と言うぐだりがあるのですが

 

これって、つまり意識し始めてるってことで

それを「嫁づく」。

うーん、嫁になってから初めて

人間関係が始まるっていうことを

すごく象徴する言葉だなあと

印象に残ったのです。

 

馬には乗ってみよ、人には添ってみよ、というけれど

添ってみて「最悪ー」となったら

どうしたらいいんでしょう。

 

・・・ということを考えてしまうのも

現代ならではなのでしょう。

 

作者は森薫さん、以前にこのブログでも紹介した

「エマ」という作品を書いている人。

メイドブームを盛り上げた?お一人でもあります。

 

淡々とした日常のエピソードを

すごく魅力的に描く作家さんの一人。

この人が描くと、

朝起きてご飯たべてお掃除してお洗濯して

お昼食べてちょっと井戸端会議して

夕飯の支度してご飯食べて寝る、という

この日常がものすごく生き生きとしていて

リアルで

魅力的になるから

ものすごく不思議で

で、その謎も知りたくて読んでしまう。

 

絵はめちゃめちゃ上手な方です。

 

ところで、マンガのリアルって

すごく謎。

だって、絵なのに、なんでリアルを感じるんだろう?と

思います。

この話も、12歳の少年と20歳の女性のロマンスだから

それこそ「あり得るのか?」ぐらいのことで

ま、事象としてはあるだろうけれど

(実際にあっただろうけれど)

こんな風に心を重ね合わせていけるものだろうか?と

考えてしまうけれど・・・

納得してしまうんだなあ。

 

この作品も色々と角度を変えて楽しめるのですが

これから先、面白いのかな?と思うのは

定住民のところに、遊牧民の女性が

嫁いできたという事。

異文化間の葛藤から、理解に結び付くというのは

特に少女漫画にはよくあるテーマで

つまりは、他者を通じて自分を知るということが

自分の発見=アイデンティティの確立、という

割に多い物語なのです。

 

多い物語ってことは

普遍的なテーマでもありまして。

最初は、素直で賢くて落ち着いた感じの

主人公さんたち、

この後どんなふうに変化していくのかが

とても楽しみな作品のひとつです。