あけましておめでとうございます。

プロフェッショナル心理カウンセラーの織田です。

本年も、このニッチなブログを楽しんで頂けると嬉しいです。

さて、今年最初を飾るなら、明るくて元気になるマンガがいいナーと思い

それならばこれを。

「のだめカンタービレ」

前にあげた「ピアノの森」とちがって、

こちらを読んでいて頭に鳴り響くのは

オーケストラ。

コンサートに行きたくなりますねー。

お正月だからR☆Sオケなんかいいですねえ。

思い切り音楽を楽しんでみたくなる。

主人公ののだめ（野田恵さんだから、のだめ）と

もう一人の主人公である千秋サンの恋愛。

これはもう外側から見ると

「才能に惹かれあっている」

芸術家の王道ですね。

物語の1回目の最後の方かな、

千秋サンが回想かなんかのモノローグで

「俺、あの時振られていたのでは」と

思うシーンがあるんだけれど

千秋サン、実はあなたは

最初からあまり惚れられてはいなかったのではｗｗｗ

と、思われるシーンって多いんですよね。

実際、音楽なんかどうでもいい気持ちになると

のだめちゃんは千秋サンに興味を失うしね。

音楽に苦しんでいるときに千秋サンがかまっても

逆ギレするしね。

で、のだめちゃんが音楽に戻ると

千秋サンにも戻ってくる。

恋愛にはいろんな形があるけれど

この二人の場合には

「音楽」という「かすがい」無しには

一緒にいられないのでしょう。

二人でいるときも結局音楽のことばかりだしね。

のだめちゃんを何とか引き戻すのも

音楽の力だしねｗｗｗ

のだめちゃんの前には連戦連敗の千秋サン。

大変な才能に惚れてしまったものです。

ただ、のだめちゃんと違って

才色兼備の千秋サンには

のだめちゃんには確かに恋愛できる理由が結構あって

彼女相手にカッコつけなくていいから

油断ができる存在。

大好きな音楽が二人をつなげてくれる。

おまけに生活能力０ののだめちゃん、

怒鳴り散らしながらも頼られて

のだめちゃんの横に居場所を見出していくことができる。

それに比べて

のだめちゃんには「千秋サンじゃないとだめ」というのは

音楽しかないような気がするから

頑張って音楽を磨き続けていかないと。

だって、暴力的だし俺様だし

性格があまりよくなくて

音楽バカで

自分のカッコよさを自覚していて

プライドが高い。

結構パートナーとしては難しいタイプです。

あれでイケメンという設定だから

まだ救われているし

のだめちゃんがいるから

千秋サンはよく見えるだけであって

結構一緒にいるには大変な人ですよ？

でも、音楽には一途なんですよね。

嫌いだといいながら、千秋サンは自分の父親と

多分すごくよく似ている。

音楽への才能もオタクぶりも

その孤独も。

だから、のだめちゃんを好きになったのは

多分正解なんでしょう。

恋愛ってやっぱり凸と凹なんですかね。

俺様の横に不思議ちゃん。

さびしがり屋の横にマイペースさん。

恋愛の形のベースは

ユング心理学的にいえば

シャドウ（心の影）の投影か

オールドワイズマン(あるいはグレートマザー)の投影。

千秋サンとのだめちゃんは正反対だから

シャドウの投影でしょうね。

それも、「音楽」をつないだシャドウの投影。

のだめちゃんの音楽に千秋サンはすごく強く惹かれ

千秋サンの音楽にのだめちゃんは

自分に必要なものを見出していく。

そして、ときどき妙にぴったり合っちゃったりするから

（才能と実力が釣り合うんですね、お互いに充足できる）

統合感もすごく強く感じられるから

「この人とだけ」感が増大していく・・・なんて解説すると

なんかロマンチックじゃないんですけれどね。

でも、自分の調子が悪いと

こういうパートナーはお互いの存在が

自分を狂わす直接の原因になっちゃったりするんです。

微妙なものだ。

そんな風に作品に出てくる恋愛の型を

くねくねといじりまわして考えるのは

心理学をおもちゃにしているようなものなんですけれど

心理カウンセラーをしているような私にとっては

とっても楽しいアソビなんです。

のだめに出てくる他の恋愛の形とか

親子の関係なんかも

分析していくと面白い。

峰くんと清良さんとか、

黒木くんとターニャさんとか

どういうシャドウの引き合いなのか

掘り下げてみたいですね。

恋愛って不思議です。

形もなく目にも見えないものなのに

どうしてこんなに人を左右し

時に人生を決定づけるんだろう。

何が「この人じゃなきゃ」と思わせ

時に今の生活も枠組みもぶっ壊してしまうぐらいに

エネルギーがわきあがるんだろう。

時に自分を傷つけてでも

嫌われたくないと思うのは

どうしてだろう。

のだめカンタービレは音楽への思いや

自己実現への葛藤といった

メンタルトレーニング的に分析しても面白いんだけれど

恋愛心理学的にもかなり面白い作品。

また登場させてしまいますね。

★恋愛心理について詳しく知りたい方は

　よかったらご参考に★

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『たまには恋愛心理学的に考えてみると』from のだめカンタービレ

『たまには恋愛心理学的に考えてみると』from　のだめカンタービレ