コロナ禍になる前に

夫と一緒にトレッキングシューズを買った。


夫が体力のない私を心配して

ふたりで自然の中を散策したり

軽い山歩きをして

楽しみながら体力をつけようと。。。


そのシューズを持って

最初に出かけたのは秋の那須岳。


でも、その旅は、

あいにくの雨模様で

ドライブや食事・温泉♨️を

楽しんで帰った。


その後、そのシューズは長い時間、

忘れ去られたように箱の中で眠っていた。


・・・けれど、


昨日、やっと出番がきた!

数人のお仲間が、

とある渓谷への

トレッキングに誘ってくれた。


青空が広がり

気持ちよく白い雲が浮かんで、

風もなく、絶好の散策日和。





なんと、通常ルートが

大雨の後に通行止めとなり

迂回路に誘導された。


その迂回路がきついのなんの、💦

超初心者の私は

景色を楽しむ余裕もなく

崖(に思えた)場所を

ロープや鎖をつかみながら必死で登り、

はーはーゼーゼーしながら

みんなについていくのがやっと。

(皆さんも私が大丈夫か

きっとハラハラしたことでしょう)


そして、

ついに、

ついに登りきったときの達成感!!!😭


友人が携帯コンロで

お湯を沸かしてくれて

あったかいスープと

甘いコーヒーをくれた。


眠い目をこすりながら握ってきた

梅干しと、おかかのおにぎりを🍙

ぱくぱくと食べながら

あったかいスープやコーヒーを飲む。


スーッとからだにあったかいものが流れて

この景色や空気や

優しいみんなの雰囲気に

気持ちがほっこり和んでいった。


途中で私が友人に言った。


「ホントはね、

夫とこれからこんなふうに

山歩きやハイキングしようね、

って言ってたの。でも・・・」


その先は言葉にならない。


友人はただ、

「うん、うん」と優しく頷いてくれた。



お互い歳を重ねて

いつまでもふたり一緒に自然の中を歩こう、

という夢や目標は叶わなかった。


だけど、夫が

『君が体力をつけて

年を重ねても元気でいるように』

と願ってくれた思いは

今も大切に受け取っているよ。


私、このシューズをはいて

また自然の中を歩きたい。


山の中の足場のよくない道を

登ったり降りたりしながら


ふと顔をあげると

先に行く夫が笑顔で振り返って

「ほら」、と言って

手を差し伸べてくれた。


いつも、いつも手をとってくれた。


えっ、、、まぼろし、、、?

消えないで、、、

いかないで、、、、

お願い!

いってしまわないで、、、


その手を取ろうとした瞬間、


ふっ、と夫の姿が消えて

私の出した手は空気に触れるだけだった。


(涙)


もう手を取って

引っ張ってくれる夫はいない。。。



私、自分の足で歩いていくんだよね。。。


「大丈夫、できるよ。」


どこからか、夫が伝えてくる。


うん、大丈夫。

あなたはいないけれど

いる、ものね。

こうして励ましてくれるものね。


涙を拭いて

一歩、一歩、登っていく。


登った先には

仲間たちの笑顔が待っていたよ。

ありがとう。✨✨✨

ひとりじゃないね。。。