若い頃の夫はお酒が好きでした。

夕食の時にふたりでビール🍺や

ワイン🍷をシェアして飲みました。


私たちはよくお蕎麦屋さんに

夕食を食べにいって

つまみとお酒を楽しんだ後に

〆のお蕎麦を食べるのも好きでした。


お気に入りのお蕎麦やさんが

何軒かあって

気がむいたお店で待ち合わせして

よく食べに行きました。


夫は夫婦になっても

いつもとても紳士でした。


席に座るときは

『奥へどうぞ』


おつまみがくると

『お先にどうぞ』と、言いました。


うちはおつまみはそれぞれが好きなものを

好きな分だけ自分でお皿に取るスタイル。

いつも夫は優しかった。


夫の病気が深刻になってからは

ノンアルコールビールになって

やがてまったく飲まなくなりました。


夫が亡くなった後の私は

お酒を口にするのが怖くて

1年近く全く口にしなかった。


怖くなった理由は

『理性を保てなくなるかも』

と思ったから。 


生きているのが不思議なくらいに

気持ちが張り詰めた毎日のなかで

しらふを失ったら


突発的に命を捨ててしまうかも。。。

と危機感を感じていたから。


久しぶりに🍷ワインを口にしたのは

私の誕生日のときに

学生時代の友人が食事に誘ってくれて。


おそるおそる口にしたワインは  

ほんのり甘い香りがして美味しかった。


たくさんは飲めないけれど

『お酒を口にしても大丈夫かも』と

感じたきっかけになった。


私、大丈夫かも、、、

と思えたことに少し涙が出そうだった。


それからはたま〜にだけど飲むように。

もともと弱いので

ワイングラス軽く一杯くらいですが。


あの、もう明日死んでもかまわないと

死への準備ばかりを考えた日々からは


リラックスしてお酒を 

飲める日が来るなんて想像もできなかった。


先日、友人と食事に行って

赤ワインをジンジャーエールで

割ったカクテルを飲んだ。

飲みやすくてすごく美味しかった。


私にはそのくらいがちょうどいい。


気分良く美味しいものを食べて

美味しいカクテルを飲んで

夜空に浮かぶ

美しい月や星を見上げていると

気持ちは穏やかで幸せを感じた。


今の私はこれでいい。

これ以上もこれ以下も何もない。


胸の中が暖かくなって

あなたの存在を感じた。


ただちょっぴり

あなたの姿が恋しくなって

涙が出そうになったのは

友人にはナイショですけれど、ね。


私は今を生きている。

私は今、ここにいます。


あなたは今、どこにいますか。。。 



僕は君をとりまく世界のすべてに居るよ。



そんなセリフが聞こえてきそうです。