そして・・・
「ああ、やっと引っ越せた!」
今日、やっと。翔が引っ越してきた。
ちょこちょこと寮の荷物を持ち込んでいたけれど、以前にも見た本の山を今日、業者に頼んで持ってきたのだ。
「これでもだーいぶ減らして、医局にも置いてきたんだけどな」
「俺、来週から出張でほとんどいないからって言ったよね?
こんなに急に引っ越さなくてもゆっくりでもよかったのに」
翔の住んでいた寮と病院は近くて便利がいいから、俺の仕事がひと段落してからの引っ越しでもよかったんじゃないか?
「ん、でもさ。
忙しさにかまけてだらだらしてたら、いつまでたっても引っ越せないし」
翔は、俺が見繕って買っておいた本棚に本を整理しながら言った。
「それに、潤が帰ってきたとき、『おかえり』って言ってあげれるから、さ」
「しょう///」
翔はそっと俺の腰を引き寄せると抱きしめた。
俺も、翔の首に腕を回す。
ついばむようなキスをして。
「潤、愛してるよ」
「おれ、も///」
一度、互いの眼を見て。
そっと瞼を閉じれば後は・・・・