「結構降ってるね」
「相葉くん、出勤できるかな?」
「そうだね。自転車じゃ無理だから、電車でくるかも」
「電車、少し遅れてるみたいだよ」
「そっか」
じゃあ先に開店準備しないと、なんてトーストをかじりながら潤が言った。
「俺なんか手伝うことある?」
「じゃあ、タオルたたむの手伝ってくれる?」
「OK。」
「ありがと」
ちょっとしたことしかできないけれど、潤たちが自分たちの店が好きなように、俺も潤たちの店が好きだ。
客としていくことも楽しいことではあるけれど、ほんとにちょっとのことでも手伝えることがあることが嬉しい。
「あ、後さ。今日昼間出かけるから」
「雪は?」
「昼はやむって天気予報は言ってる」
「ほんと?
あのさ、ラ・ブランジュリーでパン、買ってきてくれない?」
「ああ、いいよ。
ついでに夕飯の総菜買ってくるよ」
「了解。今夜は寒いからスープだけ作ろうかな」
潤が洗濯を干している間に、俺は食事で使った食器を洗って、クイックルワイパーで床をさっと掃除した。