泣き止まないおれを、翔くんがぎゅっと抱きしめてくれた。

 

良かったな、潤。

斗真が拍手してくれた。

 

しあわせになれよ。

大野さんが拍手しながら祝福の声をかけてくれる。

 

わあ、おめでとうございます。ステキ!

アルバイトの子は、もらい泣きしながらお祝いしてくれた。

 

 

 

ありがと、ありがと、と何度も言いながらおれはいつまでも泣き続けた。

 

 

 

その日は、りんちゃんのお迎えを翔くんと一緒に行って保育園の園長先生に事情を話した。

園長先生の反応はおおむね良好で、

「あなた方ご家族がいつ、いかなる時も幸せでいられますように」

と暖かい言葉をいただいた。

 

 

 

迎えに行ったりんちゃんと、ひかるくんにはお店に帰ってから話をした。

正式な夫婦ではないけれど、りんちゃんの家族になることを伝えた。

 

 

 

「それって、りんちゃんにとっていいことなの?」

 

ひかるくんが質問してきた。

 

 

「絶対にいいことになると思うし、なれるように努力する」

 

翔くんは力強く言った。

 

 

 

「潤くんはもう、泣かない?

幸せになれる?」

「ああ、誓うよ。

もう絶対に泣かさない」

 

 

 

 

こうして、おれと、りんちゃんと、翔くんは。

家族になった・・・