S side
潤は、二つ違いの姉がいる。
智くんにも、ニノにも姉がいるが、俺を含めた5人に中では一番末っ子気質満載だ。
同い年のニノにも甘えたり、かと思えば3歳年上の智くんにも割と容赦のない突っ込みを入れたりする。
どんな時も、
「しょーがないな、潤は・・・」
と言いながら、あの笑顔にほだされてしまう。
俺も潤のことは気に入っていて、よく部屋まで遊びにきていた潤をかまっていた。
「宿題わからないから教えて~」
と言って頻繁に訪れた。
潤のために、勉強机とは別にダイニングテーブルのような机を椅子を俺の部屋に置いたほどだ。
机があると、ついその上に本や参考書を積み上げたり、ものを置きっぱなしにしてよく潤に文句を言われた。
勉強が終わればソファーで一緒に映画を見た。
潤はたまに、途中で俺に寄りかかって眠ってしまった。
長いまつげを目元に湛え、白い肌にゆるくかかる髪がとても綺麗で「ああ、本当の『アルファー』は潤みたいなやつのことを言うんだな」と思っていた。
潤も俺みたいに成長期が遅くていつまでも小さくて、笑顔がかわいらしくて、6つ離れた弟と同じように、いやもっと近い存在でかわいがっていた。